野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

1月21日のコンサート概要を、曲目解説をまとめて整理し直しました。

本来なら、3000円の入場料にすべき内容で、超一流の演奏家たちの演奏と、ユニークな作曲家の新作が目白押しですが、うっかり1000円にしてしまいましたので、超お得になっております。本日、ついに東京から中島久美さん(ヴァイオリン/ヴィオラ)が来られましたが、彼女がまた素晴らしかったのです。曲に対して、積極的に解釈していく姿勢、リハーサルでどんどん音楽が成長していくのが、本当に面白いです。明後日には、いよいよマレーシアからロス・ケリーも来日して、全出演者が勢揃いします。ぼくのピアノ曲福岡市美術館」を、ロスがどんなテイストで弾くのかも、楽しみ。1月21日(土)の夕方、みなさん、是非、来て下さいね。


コンサート概要

2012年1月21日(土)16時30分開場、17時開演
ジーベックホール(神戸市中央区港島中町7−2−1)
野村誠近藤浩平&Ross Carey ポータブル・コンチェルト 
持ち運びできる協奏曲の世界
企画:野村誠近藤浩平  協賛:TOA株式会社  制作協力:株式会社ジーベック
入場料:1000円 予約・問い合わせ:R5656m@aol.com(近藤)


第1部 ロス・ケリーによるピアノ・ミニリサイタル  

野村誠作曲:ピアノのための21の小品福岡市美術館(2009)より

2009年8月、福岡市美術館所蔵の美術作品を題材に、曲をつくるワークショップを開催した。ワークショップで生まれた音楽に基づき、野村がピアノ組曲として再構成したもの。全ての曲は、1ページの楽譜に収められている。本日演奏するのは、そのうちの12曲。

1「房州海岸」
多々羅義雄(1894-1968)が1914年に描いた風景画の形から作曲
5「泰西風俗図屏風」
桃山時代の屏風を前に即興的に音を出す子どもからのインスピレーション
7「偶然の墓碑」
荒川修作(1936-)の幾何学的な絵画(1974-76)の抽象性
9「仰臥裸婦」
レオナール・フジタ(1885-1968)が1931年に描いた裸婦のぼんやりとした色と質感
11「ゴシック聖堂でオルガンを聞いている踊り子」
福岡市美術館の目玉、ジョアン・ミロ(1893-1983)の絵画(1945)
12「福岡市展望」
児島善三郎(1893-1962)による1923年の福岡の風景。高い木とキャベツ畑、海と都会、村と学校、山と空が、右手と左手で対比される
13「ただよへるもの」
恩地孝四郎(1891-1955)の1914年の版画から、俳句のような短い音の断片でつづる
14「茨の径」
黒田重太郎(1887-1970)の1922年作の絵画。白鍵だけのメロディーに、ちょっと和声で色彩感を変えて、アドリブも交えながら。
16「騎手」
マリノ・マリーニ(1901-1980)の1952年作の彫刻を題材にしているため、空間的な広がりを持つ曲
19「紅い羽状」
村上勝(1947-)の真っ赤な羽が飛び出した立体作品(1992)の飛び出している羽の数だけ音を鳴らす。ガムランの香りもする。
20「百鳥図」
中国、明時代の渋い絵画。孔雀、鶴、鳥の鳴き声、鳥の足音、竹。
21「日光菩薩立像」
江戸時代の仏像を題材にした、しかし陽気でダンサブルなフィナーレ。

Gillian Whitehead作曲「中央オタゴの風景 」 (2009)
ニュージーランド南島のオタゴで、アーティスト・イン・レジデンスをしていた時に、この5つの描写的な音楽を書いた。

「消防サイレンと霜」
冬の半ばの風のない日に、庭の植物が霜で白くなっている時、消防のサイレンが谷の向こうから聴こえてくる。

「線の散歩」
渇いた草と飛び出た岩の景色を歩いている。木はない。暖かい岩とジャコウソウの臭いがする。(タイトルは、パウル・クレーがドローイングについて語った言葉からとった)

「ウズラのいる風景」
毎日、庭に住んでいる30羽のウズラにえさをやる。近くには、とら猫がいる‥。

「立ち上る霧の輪郭」
何日も川の上空に霧がかかることがある。そこを歩くと、ビルの形、岩の形、木の形と、常に変化していく。

「川の話」
うねうねと曲がりくねる大いなるクルタ川(あるいはマタアウ)は、深く、急流で、いろんな声をしている。

Ross Carey作曲:ハープまたはピアノのための「September Song」 (2000)
ニュージーランド、オタゴ大学にレジデント=コンポーザーとしていた2000年9月に作曲した小品。ハープ奏者のHelen Webbyに献呈し、彼女が同年10月に、カンタベリー大学で世界初演をした。
3拍子で、ゆるやかに白鍵を平行移動する9度の和音が穏やかな雰囲気を生み出す。後半では、両手が絡まり合うようにして前半とは違ったハーモニーを生み出す。静かでメランコリックな感じの曲。

Ross Carey作曲:ピアノのための「Meditation on B.A.C.H.」 (2000)
「Meditation on B.A.C.H.」は、オタゴ大学のレジデント=コンポーザーであった2000年の8月に作曲した曲。全音楽譜出版社がバッハ生誕250周年を記念して行ったピアノ小品の作曲賞に入選した作品。兄のピーターと、義妹のクリステンに献呈。「September Song」同様、この曲もピアノの白鍵だけを使っている。BACHという4音は、B=シ♭、A=ラ、C=ド、H=シで、半音階で黒鍵を使うので、これにアイロンをかけて伸ばして、シ、ラ、レ、ド、と白鍵だけで弾けるようにした。最初、このモチーフは低音で奏でられ、完全4度上でも同じメロディーが入れ子になって奏でられ、曲の中で他の音域や転調などして、様々な様相を呈する。そして、クライマックスでは、BACHの主題と同時に、だんだんピアノの最高音に向かって音階が上がっていき、冒頭の音形が静かに結論を語って終わる。初演は、2000年11月3日オタゴ大学のマラマホール。日本初演は、2001年10月30日に、東京のムジカーザで江村夏樹が行った。

近藤浩平作曲: 「海辺の雪〜震災と津波の犠牲者への追悼」 作品122 (2011)
バスーン独奏曲として東日本大震災後に作曲し、様々な楽器への編曲で再演されている前作の「海辺の祈り〜震災と原子炉の犠牲者の為の追悼」121が、震災と原発事故の恐ろしさを記憶するための音楽であったとすれば、それに続くこの作品は、津波に襲われた町や村を忘れないための音楽であり、津波の恐ろしさを忘れない為の音楽であるとも言えます。津波があった3月はまだ寒く雪が降っていました。瓦礫の被災地に冷たい雪が降り、瓦礫を覆っていく風景がありました。たくさんの人がそこで寒さに耐えていたでしょう。左手のピアニスト、智内威雄さんの為に書かれ、茨城県鹿嶋市で2011年8月に初演されました。


ピアノ独奏 ロス・ケリー 

ロス・ケリー(Ross Carey)ニュージーランド生まれ。ピアニストとしては、アジア、環太平洋の作曲家の作品を積極的に取り上げ、インドネシアシンガポールニュージーランド、オーストラリア、香港などの現代音楽祭に出演。「マレーシア作曲家シリーズ」の第1回から関わり、マレーシアの作曲家の新作を数多く初演する。作曲家としては、イギリス、韓国、ウクライナ、カナダ、ブラジル、オーストラリアなど、5つの大陸で作品が上演されており、2010年「アジア作曲家会議」(東京)でも作品が演奏されている。最新作は、作家のメリル・フィンドリーとのコラボレーション。マレー工科大学(UiTM)音楽学部専任講師(作曲/ピアノ)。



 
第2部 ポータブル・コンチェルト 持ち運びできる協奏曲

近藤浩平作曲:ヴァイオリンと打楽器の為の協奏曲 作品110 (2009) (関西初演)
打楽器はギロやマラカスやタンバリンなど持ち運びのしやすいものばかりを選んであるので、4人の演奏家が楽器を持って出かけていけば、小さなサロンでも、ライブハウスでも、教会でも、山荘でも、自宅でも、野外でも、低予算で原曲編成のままの出前演奏が可能なヴァイオリン協奏曲である。全曲は短い5つの楽章からなる。オーケストラに相当する打楽器はアンサンブルによってテクスチュアを変えていく。拍節のプランには複数の数列を交錯して使っているが、解説すると長くなる。高音の旋律楽器と小型の打楽器3人という編成は、神楽の囃子から発想されている。笛をヴァイオリンに置き換えたというわけである。ソロに対して3人の囃子方が、“あいのて”を入れるという昔からある音楽の形である。
2010年10月に東京オペラシティ・リサイタルホールにおける現音アンデパンダン展で、中島久美さんの独奏と、どってん博物館の打楽器演奏により初演された。昨年12月に第1楽章がアメリカのノースダコタ大学においてアルゼンチン出身のヴァイオリニスト、アレジャンドロ・ドラーゴ氏の独奏で再演されている。

野村誠作曲:「ポーコン」ヴァイオリンとポータブル打楽器のための協奏曲

 近藤浩平というユニークな作曲家がいる。独学で作曲を学び、昼間はビジネスマンとして働き、休日は世界各地の山々で登山をし、一体いつ作曲するんだ、と思われるのに、次々に新曲を発表している。作風もユニークで、作曲に苦しむことなく、楽しんで音符を書いている。そんな彼と一緒にコンサートを企画できないか、と提案したのは、一年前、東日本大震災が起きるよりも前のことだった。
 近藤さんから「持ち運びのできる協奏曲」というテーマが提示された。ヴァイオリンと小物打楽器3人という編成は、ぼくでは発想しない編成だ。カスタネットやタンバリンは、コンとかタンとか基本的には一音しか出ないのに、ヴァイオリンは音域も広く、メロディーから和音からピチカートやグリッサンドトレモロや、ありとあらゆることができる。これではまるで、喋りまくる主役と、「うん」とか「ああ」しか言わない3人の脇役のために曲を作るようなものではないか!でも、このアンバランスな設定が、面白く感じ、作曲に取りかかった。
 第1楽章では、所謂クラシック音楽のような「ヴァイオリン協奏曲」を書いてみたい、と思った。もちろん、普通の「ヴァイオリン協奏曲」では、ヴァイオリンとオーケストラが掛け合いするが、こちらはヴァイオリンと打楽器が掛け合いする「ヴァイオリン協奏曲」になる。そんな掛け合いをシンプルに味わってみたいので、ヴァイオリンと打楽器が交互に演奏する曲を作った。登場する度に、ヴァイオリンが弓で弾いたり、指で弾いたり、と音色を変える。それに応じて、打楽器も楽器を持ちかえて音色を変える。そんなヴァイオリンと打楽器の対話をしているうちに、音楽の世界が深まっていく曲。
 第2楽章では、1楽章のような独奏者としてではなく、ヴァイオリンは他の人と対等なメンバーになる。ヴァイオリン、ベル、ウッドブロック、ギロの4つの音は対等になり、打楽器と一緒にリズムを作る。しかし、ヴァイオリンはメロディーが弾きたい禁断症状が出てくるのだ。途中で、どうしてもメロディーが弾きたくなって、突然メロディーを弾き始めるが、ふと我に返って、またリズムに戻る。何度も禁煙を始めるけれど、タバコをやめられない人のように。何度か禁断症状を経た後、気がつくと阿波踊りのようなサンバにのせられて、ヴァイオリンは禁酒を解禁して思う存分宴会をする。得意なメロディーを弾きまくって終わる。2楽章の終わりで観客は拍手をしても良い。
 第3楽章は、インドネシアの弦楽器ルバブのようにヴァイオリンを弾いてみたい、という憧れから書いた。インドネシア滞在中、妻がルバブをよく練習していた。ジャワの伝統音楽をそのままヴァイオリン曲にしようと、妻の演奏を録音させてもらって、譜面に起こそうと思ったが、ジャワでは、録音で書き起こすのは邪道で、耳でコピーするのが正統。そうやってコピーする間に変わっていくことも伝統なのだ。そこで、妻に数回ルバブで「ウィルジュン」という曲を弾いてもらい、印象的なフレーズだけ書き起こしたが、既に、それはジャワ音楽とは異質な音楽だった。その音楽は、インドネシアの音楽のようでありながら、日本の民謡のようでもあり、ふと、インドネシアで見た儀式の情景が思い浮かび、架空の儀式を回想しながら、音楽を書いた。
 「ポーコン」とは、「ポータブル・コンチェルト」の略。

Ross Carey作曲:ヴィオラと3人の打楽器奏者の為のソナチネ」(2011)       
I March  II Cavatina  III Scherzo  IV Melody Alone  V Dance
ヴィオラと3人の打楽器奏者の為の「ソナチネ」は、野村誠近藤浩平の招きにより、このコンサートのために作曲した。全部で5楽章から成る。1、2、3、5は、4楽章から成るチェロ三重奏「3のためのメロディー」(2009年作曲)を下敷きに再構成し、4楽章の「Melody Alone」は、2011年12月31日に、ヴィオラ独奏のために作曲した。
I March. Andante 普通の拍子の軽快な行進曲。小さな太鼓とタンバリンとトライアングルで伴奏。
II Cavatina. Allegretto 中音域で歌のようなメロディーを奏でるヴィオラが、マラカス、タンバリン、そして後からトライアングルを伴う。
III Scherzo. Con moto – ピチカートのヴィオラがリズムの主題の輪郭を形取り、トライアングル、タンバリンにマラカスが伴奏する。
IV Melody Alone. Andante – 4度や6度の音程を多用したシンプルなメロディー でヴィオラが独奏する。3拍子と4拍子が交互に現れる。
V Dance. Vivo – ギロとマラカスとトライアングルを交えたリズミカルな舞曲。

近藤浩平作曲:ヴィオラと鍵盤ハーモニカと打楽器の為の協奏曲「ポータブル・ヴィオラ協奏曲」作品125 (2011) (世界初演
  ヴァイオリンと打楽器の為の協奏曲につづく“持ち運びできる協奏曲”の第二作。ヴァイオリンとヴィオラの両方を演奏できる中島久美さんであれば一つのコンサートで、ヴァイオリン協奏曲とヴィオラ協奏曲の両方が演奏できる。鍵盤ハーモニカが入ったことで、内容としてはオーケストラとの共演による協奏曲のようなものになっているのだが、第3楽章になると、協奏曲の最終楽章の定石の音楽の盛り上げ方から、離れていってしまう。

野村誠作曲 「きせかえコンチェルト」ヴィオラと鍵盤ハーモニカと打楽器のための二重協奏曲

 「きせかえコンチェルト」は、近藤浩平の「ポータブル・ヴィオラ協奏曲」の第1楽章の着せ替え曲だ。どういうことかと言うと、近藤さんの書いたヴィオラパートを一音違わず同じにして、そこに、野村テイストの鍵盤ハーモニカと打楽器パートを着せることで、全く違った印象の音楽に作った。何曲も新作初演しなければいけない中島久美さんの負担を、少しでも軽減するためには、どうしたら良いかと考えた末に思いついた。自分の神聖なる音楽が別の形になることを拒まず、是非聞いてみたい、と提案を快諾してくれた近藤さんのおかげで、実現。そして、生まれた音楽は、野村テイストの中に、近藤テイストが隠し味で入っている音楽で、こういう作曲の仕方をしなければ、ぼくは決して書かなかったであろう音楽。自分の領域を他人とこうやってシェアできる作曲法は、今後も追求していきたい。鍵盤ハーモニカとヴィオラがハイスピードにやりとりしながら、それを打楽器が応援したり、刺激を与えたりする曲で、鍵盤ハーモニカのパートは自分が弾くので遠慮せずに難しくしてしまった。現在、後悔しつつも猛特訓中。自分で書いたのだから文句言えないし。

ヴァイオリン/ヴィオラ:中島久美
打楽器:野村誠片岡祐介、駿田千佳、薮公美子
鍵盤ハーモニカ:野村誠


中島久美(ヴァイオリン/ヴィオラ
東京藝術大学附属高等学校を経て、同大学をヴァイオリン、同大学院をヴィオラで修了。第5回日本室内楽コンクール第2位受賞。
1995年より5年間、桐朋学園大学にて嘱託演奏員を勤める。その後アムステルダムで、J・クスマウル氏の下更なる研鑽を積む傍ら、ダンスと声を使った即興パフォーマンスなどを学ぶ。
ポルトガルの音楽祭において、アンナ・ビルスマと5重奏を共演。帰国後2004年より、自身のヴァイオリン&ヴィオラと様々な楽器のコラボレーション企画シリーズ「二声鳥のコンサート」を開始。07年11月にVol.5 を開催した。その他の、多ジャンルにわたる演奏、録音、編曲などの活動に励み、新たな展開を見せる。
ヴァイオリンを鷲見四郎、澤和樹、久合田緑、J・マウラー。ヴィオラを菅沼準二。室内楽を岡山潔、ゴールドベルグ・山根美代子、田中千香士の各氏に師事。アンサンブル東風のメンバー(ヴィオラ




打楽器奏者プロフィール



駿田千佳(打楽器)
マリンバ・打楽器奏者。全国で演奏活動。
マリンバデュオsoyでは1stアルバム「she`s gone」を発売。
深川和美の童謡サロンに参加。上海太郎カンパニー主催ミュージカルにてアーティスト兼キャスト出演。するたマリンバ教室主催。
大阪府夕陽丘高校音楽科卒業。大阪教育大学音楽コース卒業。
現在ベルリンで研鑽中。

片岡祐介(打楽器)
打楽器奏者、作曲家。
1969年生まれ。愛知県豊橋市で育つ。少年時代に独学で、木琴やピアノの演奏をはじめる。
名古屋市立菊里高校音楽科を経て、東京音楽大学で打楽器を学ぶ。
商業的なスタジオミュージシャンを経て、1997年〜2000年に岐阜県音楽療法研究所に研究員として勤務。障害者施設や高齢者施設、病院などの様々な場所で、即興音楽セッションを行う。
2006年度、NHK教育テレビのエキセントリックな音楽番組「あいのて」に「黄色のあいのてさん」としてレギュラー出演し反響を呼ぶ。
マリンバ奏者として、新作の委嘱、演奏活動を数多くおこなっている。
CDに片岡祐介と子どもたち「ポリフォニック・パーカッション」(NPO法人クリエイティブサポートLet’s)、著書に「CDブック 音楽ってどうやるの」(野村誠と共著:あおぞら音楽社)がある。

薮公美子(打楽器)
1982年大阪生まれ。京都在住。パーカッショニスト /作曲家。桜美林大学で音響を、文化庁在外研修員としてヨーク大学大学院で共同作曲を、インドネシア政府奨学生としてインドネシア国立芸大ジョグジャカルタ校にてガムランを学ぶ。主に中東の打楽器“ダルブッカ”やインドネシア の”ガムラン”を演奏する。モモンガ• コンプレックス『ウォールフラワーズ』にて音楽を担当。音楽を担当した映画『歓待』(監督:深田晃司)が第15回プチョン国際ファンタスティック映画祭(韓国)NETPAC賞(最優秀アジア 映画賞)受賞。海外では、Ergodos Festival (アイルランド) に出演。Buxton Festival (イギリス)ではガムラン演奏および、観客参加型の作品を発表し好評を得る。Kontraste Festival(オーストリア)にて野村誠の即興音楽プロジェクトI-Picnicに出演。Yogyakarta Gamelan Festival 2011 (インドネシア)に出演。


作曲者プロフィール

野村 誠(のむら まこと、1968年 - )
8歳より作曲を始める。92年に、自身のバンド「プーフー」で、Epic/Sony RecordsよりCDデビュー。その後、イギリス・ヨーク大学大学院で学ぶ。第1回アサヒビール芸術賞、JCC ART AWARDSの現代音楽部門最優秀賞などを受賞。作曲活動は、オーケストラ、室内楽ガムラン和楽器など幅広く、お年寄りや子どもなどとの共同作曲作品もある。著書に「路上日記」(ペヨトル工房)、「即興演奏ってどうやるの」(あおぞら音楽社)、CDに「せみ」(Steinhand)、「INTERMEZZO」(Airplanelabel)、「しょうぎ交響曲の誕生」など。鍵盤ハーモニカのアンサンブル「P-ブロッ」での演奏活動、ピアノなどによる即興演奏なども行う。05年はインドネシアでタイと日本との3カ国アートプロジェクトをプロデュースした。「あいのて」(NHK教育・番組)監修、「赤のあいのてさん」として出演。

近藤浩平(こんどう こうへい 1965年-)
関西学院大学文学部美学科にて畑道也氏に音楽学を学ぶ。作曲は独学。2008年日本の音楽
展・作曲賞入選。2010年ベルリン・ドイツ・オペラ<Klang der Welt Ostasien(世界の
音・東アジア)>作曲コンクール第2位(室内楽)。2006年にはピアノ協奏曲が福村麻矢
氏の独奏、パオロ・フェッラーラ氏指揮の関西フィルハーモニー管弦楽団によって初演さ
れた。江森國友氏、森永かず子氏の詩による歌曲や、野村誠氏の委嘱による鍵盤ハーモニ
カの為の作品などもある。作品はマザーアース、日本作曲家協議会などから出版されてい
る。日本作曲家協議会会員、日本現代音楽協会会員。兵庫県宝塚市在住。山や自然に関
わる作品が多い。http://koheikondo.com