野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

動物の演劇組曲

埼玉の入間でのコンサートを聴いてきました。

もともとピアノとアコーディオンの曲として譜面を書いたのですが、打楽器と3人でやりたいということで、打楽器パートを付け加えてくれての演奏です。

打楽器パートだけが、自分の書いていない音が出てくるので、そこがアドリブを多く含んでいるのですが、せっかく渡邉理恵ちゃんという素晴らしいパーカッショニストが演奏してくれるのに、ぼくの書いた音符を演奏してもらっていないのが、もったいない気分がしました。やはり、ぼくが書いた譜面の音符一つひとつを演奏家がどう解釈してどういう音で応えてくれたか、を聴けるところが、作曲者の醍醐味の一つなので。

だから、この曲も打楽器パートもかなり厳密に書いたトリオ版の譜面を、いずれ書いてみたいな。

会場がエアコンがなく窓を開けて、外の川のせせらぎも聞こえる会場で、ぼくの曲は、うまく会場の外の音とも共存できていました。

20代の若い音楽家たちのコンサートだったのですが、出演者の同世代の観客が少なかったのが気になりました。幅広い年齢層の客層を持つことは大切だと思うのですが、同世代の演奏家、作曲家、アーティスト、批評家、・・・などが、客席にもっともっといて、今日のコンサートから刺激を受けて新しい企てにつながっていくような、そんなこともあってもいいのでは。そういう意味では、今日の会場の雰囲気はとてもよかったのですが、同時に都内のそういった客層が集まりそうな場所でも、やっていったらいいのだろう、と思いました。

残りの3公演が聴けないのが残念。