野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ツルオカさんの絵を音にする、2日目

ワークショップ2日目。13:30〜16:30。昨日は10曲作曲しましたが、今日は新たには1曲も作らずに、昨日作った曲の演奏を練り上げました。13:30〜15:00。

そして、15:00からは展示室でコンサート+解説会。解説は学芸員の徳江さん。約1時間10分のコンサートになりました。

展示室を回りながらの会になります。まず、絵の前に集まり、この絵をどうやって解釈して音楽にしたかを野村が手短に説明した後にワークショップメンバーが演奏をし、演奏が終わったら、今度は学芸員から絵の解説がある。そして、次の絵に移動し、・・・・・、という流れです。

絵を見ながら観客は演奏を聴きます。この時点で音楽も絵もじっくり時間をかけて鑑賞できます。そして、実際にはこの絵はどういう絵なのだろう?と興味がわいたところで、解説が入るのです。

美術館での解説会で、鑑賞者が踊りながら見たり、床に座り込んで見たり、ということは、なかなか起こりにくいと思うのですが、音楽会という枠組みなので、自然に床に座ったり、体が動いたり、ということも起こったりしました。そして、絵画というものが、こういうリラックスした気分で見ると、また違った顔を見せてくることが大きな発見でした。

今回作った曲には、ほとんどメロディーとか決まったフレーズはありません。簡単なルールの即興的な音楽だったりするのです。そうした曲を10曲もメモ書きもなく覚えておくことは、意外に難しいと思うのですが、それぞれの絵を楽譜として覚えると、こうした音楽をかなり再現性を強く記憶しておくことができる、ということが大きな発見と、鈴木潤さんが言っていました。

今回の10曲はかなりいい感じで録音できたので、いずれ何かの形で公開することがあるかもしれません。また、「黒い行列」などは、別のワークショップなどでも再演していきたい曲です。

また館林に来たいと思う2日間でした。