野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

福岡市美術館でのワークショップ

8月18〜20日に行う福岡市美術館でのワークショップの打ち合わせ。これは、「コレクション/コネクション」という福岡市美術館開館30周年を記念した展覧会に関連して、福岡市文化芸術振興財団(あってるかな?)の企画で行う「コレクション/コネクション/コラボレーション」という企画で、ダンス、演劇、音楽が、それぞれ美術とコラボレートするらしい。ま、ぼくは、美術館のコレクションを展覧会にしているらしいので、その展示作品を楽譜と見立てて、作曲をするというワークショップをする予定です。でも、それだけでは、その場限りになってしまって、どうかと思うので、ワークショップで作曲した曲を、さらにピアノ曲として楽譜にしようと思います。絵画一点につき1曲。つまり、絵画が15点あれば、15の短いピアノ曲ができあがります。

で、そうやってできあがった楽譜を、美術館の作品解説みたいに、美術館でご自由にお取りください、と置いておく。そうすると、それを持ち帰った人が家で弾いてみるかもしれない。または、知り合いのピアノを弾く人に弾いてもらうかもしれません。そして、ひょっとしたら、展覧会に来ていない人がその曲を弾いてみて、実際のもとになった絵はどんなんだろう?と思って、美術館に足を運ぶかもしれない。また、その楽譜の曲は、5年後、10年後に誰かがピアノのレッスン教材にしているかもしれません。そして、題材になった絵を見たかったら、福岡市美術館に見に行けばいいのです。それは美術館のコレクションなので、10年たっても、福岡市美術館に全部揃っています。

そんなピアノ曲集を作ることを楽しみに、ワークショップをします。どの絵を曲にするかは、ワークショップの参加者と決めます。だから、ミロが曲になるのか、棟方志功が曲になるのか、シャガールが曲になるのか、仏像が曲になるのか、ワークショップをしてみないと分かりません。楽しみです。