野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

演劇交響曲

えずこホールの音楽劇のタイトルについて、片岡さん、加奈ちゃんとも話していた。あらためて振り返ると、「しょうぎ交響曲」では、オーケストラの新しい可能性を提示し、「ホエールトーン・オペラ」では、オペラの可能性を提示したし、「だいんだいん」では、ガムランの可能性を追求した。では、えずこでは何をやっているのか?「音楽劇」というのは、何か中途半端な気がして、もっと思い切って言えば、「演劇」なんだと思う。演劇って、そもそも、音楽も美術もダンスも全部あるはずで、わざわざ「総合音楽劇」なんて言わなくても、演劇って、総合音楽劇なんだ。そして、作曲家として、ぼくが「演劇」のために作曲するのではなく、「演劇」というものを作曲することをしているのだと思う。

だから、今作っている作品は、「演劇交響曲」なんだと思う。で、演劇交響曲が誕生したのかなぁ、と考えていたのだが、誕生ではなくて、「再生」だと気づいた。ビデオテープなど廃材から再生して作られる舞台美術、ワークショップでのアイディアから再生されて作られる劇、シェイクスピアの「夏の夜の夢」を再利用して作られるストーリー。そう考えて「ルネッサンス=再生」という言葉が思い出された。10年前に誕生したえずこホールが、10年経って、再び生まれ変わることを目指して、「えずこルネッサンス」。ってことは、タイトル案は

演劇交響曲「えずこルネッサンス