野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

演劇交響曲をつくるって、どういうことか

ホテルで眠れずに考え事をしていたので、もう一度パソコンを立ち上げて書いてみます。

この2日間いろいろ見せてもらいました。これまでできてきた坂野さん、鶴見さん、寺内くんの曲も名曲ぞろいですし、片岡さん、尾引さんのワークショップでできた曲もいいですし、演劇もダンスもいいのです。でも、これらそれぞれの部品がよくっても、ぼくは、演劇交響曲を作曲できたわけではありません。当たり前のことですが。明神さんの戯曲の中に、坂野さんや鶴見さんの編曲した吹奏楽が入っている劇は、やはり音楽劇で、演劇交響曲と敢えて違った名前で呼ぶものではないし、わたなべさんの芝居の合間に、様々な歌が差し挟まれるものもそうだし、シェイクスピアを柏木君がアレンジしたものと、ダンスと、坂野さん、鶴見さんの曲を3つ同時に流しているものも、敢えて演劇交響曲と呼ぶものではないと、思うのです。

だから、ぼくは、まだ「演劇交響曲」が作曲できていないのです。そして、ちらしのためにタイトルの〆切に追われて出てきた言葉ですが、「演劇交響曲」を言語化できるまで、理論化できるまで、考えて、その上で、これからの1ヶ月で、「演劇交響曲」というものを作曲するのが、ぼくの仕事です。名目上は監修という仕事もしていますが、「演劇交響曲」という名前だけあって、まだ実態がないものを、作曲しなければいけません。それをちゃんとやらないといけないし、それにちゃんと向き合わないといけない。そういうことを、改めて自覚できました。本気になります。最善を尽くします。う〜〜〜む、きっと面白い。何だかまだ分からないから、よーくよく考えます。