野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

スタート地点に立てた

矢内原美邦さんのワークショップ2日目。朝は、山の中まで車で30分ほど行って、おそばを食べました。おいしかった〜〜。矢内原さんは、子どもの頃、おじいちゃんの影響で農業革命者になろうと思っていて、おじいさんに「美邦、大陸へ行け」と言われていたそうです(年長者の想い出「ヘイノンノニノニヘイノン」ですね)。

そして、バドミントン部だった高校時代に、ダンス部にいたお姉さんから、部員がいなくなって部が消滅しそうだからと無理矢理ダンス部に入ったのが、高校3年の時、だそうです(「学生時代を思い出していた」です)。

何を聞いても、「テキストのたね」とリンクできるので、このテキストのたねは、すごいと思います。

ワークショップでは、大亮さんが、最初の30分で一度職場に抜けなければいけないので、準備体操のストレッチの間、別室で、ギターで「ママとパアテルル」のコードをやってもらいました。ギター伴奏バージョンもよさそうです。

中学生の双子姉妹(あゆみ・あいみ)がジャニーズの曲で踊りたい、という要望を矢内原さんは、取り入れて、10分だけ振りを教えてやっていました。足でステップを踏む時は、全部、裏拍にアクセントを置いているところが特長でした。なるほど、と思った。この振りを生かすような、「なんちゃってジャニーズ」の曲を片岡さんにワークショップで作ってもらったら、みんなで踊れるなぁ。この踊りと「たけやぶやけた」を合わせても、よさそう。

矢内原さんのダンスのワークショップは、結局13時から17時まで休憩なしで進みました。今日は、楽器を持った人がダンスに加わり、楽器を演奏しながら動きに混じったりもしました。また、矢内原さんは、P−ブロッのCDを持って来てくれて、シーンに合わせて、P−ブロッのCDをかけてくれていました。

出来上がったピースを見て思ったこと。このダンスに合わせて作った音楽ではなく、ダンスを全く見ずに作った音楽を重ね合わせる。そこに、さらに、全く無関係に作られた芝居、または、朗読などを重ね合わせるとどうなるだろう?そうすることにより、偶然、ダンスと音が共鳴したり、ダンスと言葉が共鳴するところがあり、相互作用が起こるはずです。そうした部分を強調すれば、はっきりとした表現として浮かびあがってくるでしょう。

これで、えずこホールが名づけた「住民参加型総合音楽劇」という名称のことは、確実に体現できると確信を持ちました。そして、全体の構成をある程度意識しつつも、ダンス、音楽、演劇と別々のピースをいっぱい素材として作りためていけば、いけそうな予感がしてきました。矢内原さんが、Nibrollでダンスに映像や音楽で作っている作り方に、少し寄り添った形かもしれませんし、それがうまくいきそうな予感です。

ナルシストの歌に替え歌ができて、筋肉痛の歌ができました。

6月18日に矢内原さんと横浜で打ち合わせをした時が、本公演の8ヶ月前でした。この時点では、何も決まっていませんでした。その時に、矢内原さんの提案で、ぼくが全体の監修をすることになりました。多分、それ以外に、打開策がなかったのです。今は、本公演の4ヶ月前です。当初ぼくがイメージしていたのに比べると、相当遅れていますが、それでもこの4ヶ月で最低限やるべきところまでは、これたなぁ、と思っています。4ヶ月かけて、ようやくスタートラインに立てた感じです。ワークショップの日数で考えても、

第1ステージ7月22日〜9月10日 
14回のワークショップを行いました。演劇7回(柏木2、わたなべ1、倉品2、明神2)、音楽7回(片岡4、鈴木1、池田2)と、別々に同じ回数だけ行いました。この間は、野村は1回も来ることができませんでした。

第2ステージ9月16日〜10月19日 
14回のワークショップを行う予定でした。倉品+片岡(3)、柏木+尾引(3)、倉品+野村(2)、矢内原+野村(3)、わたなべ+野村(3)。ここでは、第1ステージで作った素材を練り上げること、総合音楽劇のための様々なコラボレーションの土台を作り、多くのシーンができてきています。この期間は、野村は集中的に、ワークショップに参加しました。

第3ステージ10月26日〜12月17日 
既に14回のワークショップが組んであります。全員ではなく、少人数でシーンを作成していく予定です。ここは若干増えるかもしれません。この期間は、野村は全く参加できません。

第4ステージ1月13日〜2月11日
14回のワークショップを行います。矢内原さん、倉品さん、野村が集中的に滞在し、全ての素材が絡み合い、最終的に全体の通し稽古ができる段階まで、たどり着きます。

第5ステージ2月12日〜2月18日
残りの1週間で、照明、衣装、美術、ギター部、吹奏楽団、合唱団などとの絡みなども入り、本番に向けて、さらにレベルアップします。

折り返し地点ですね。あと19日までの3日が鍵です。やるぞ〜〜〜〜!