野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

仕掛けあいプロジェクト「あーだ・こーだ・けーだ」始動

野村誠野村幸弘「取手の音楽」(30分)DVDが9月下旬発売です。限定200枚、1700円です。申し込み・お問い合わせは、取手アートプロジェクト実施本部
tap-info@ima.fa.geidai.ac.jp
まで。

さて、今日は取手でフォーラムでした。詳しくは
http://tap2006.exblog.jp/

「取手の音楽」も上映しました。すごく残響の多い会場だったので、「取手の音楽」でビール工場など、もともと広い残響のある空間のものは強調されて面白かったし、全然残響のないはずの場所の音に残響が加わって、実際と全然違う音になると、映像とのギャップがあって、そういう時は目をつぶって聞いたりすると面白かったりしました。

で、野村誠プロデュースの仕掛けあいプロジェクト「あーだ・こーだ・けーだ」が始まり、公開選考会でぼくが選んだ16組のアーティスト27人がやって来てくれて、びっくりしました。人見知りしちゃいました。「仕掛けあい」がテーマだったので、「仕掛け」とは始めるとこで「仕上げ」が終わることですから、仕上がりが予想つく人は選びませんでした。

取手で玄関コンサートをしようという浦田琴恵さん、航空機内装品パーツ工場で働きながらファッション小物を作る江渕未帆さん、卒業論文のタイトルが「仏像と私」だった岡地史さん、学生50人くらいのアーティスト集団Circle3.14、ボイスパフォーマーの徳久ウイリアムさん、他者と関わるための一形態「ナンパ」を提案した中島静代さん、乳首をスイッチに音を操るサウンドガールを制作するNIP(尾崎祐太さんと広田新菜さんの二人組)、音楽とサッカーをこよなく愛し、缶蹴りを提案した絵描き(小板橋雅之さん)とデザイナー(須田幸太さん)のPanny's eye、複数人で一つの肉塊の着ぐるみを着用にして動き回る作品などの深澤孝史さん、「お」の字と「と」の字を作ってぶつけ合うという案で応募した油画専攻の宮田篤さん、石の下にスポンジとキューっていう音の出るおもちゃを仕掛けてインスタレーションをしているのかな三好隆子さん、ゲーム「太鼓の達人」と「あいのて」と「たまごっち」が好きな小学2年生むっき、キュッキュッというスリッパでみんなで散歩という案で応募した写真家の森政俊さん、携帯電話から16ものアイディアを応募したグラヒック・デザイナーの森本隆彦さん、見知らぬ人に皆既日食を見に行くツアーをプレゼントするというアートをどうやって実現するかを温め続け、言語学者と「あたらしい言語を作る」プロジェクトを準備中の矢木奏さん、特殊写真家・パフォーマーの山中カメラさんの16組。

ほぼ全員と話しができたが、ナンパの中島さんとだけ話した記憶がないので、ナンパを薦める人に限って、意外にシャイなのかもしれません。話したのかもしれませんが、ナンパのことを話してくれなかったのかもしれません。

で、とにかく、皆さんの顔を見て、「あーだ・こーだ・けーだ」スタートです。ここから、様々なコラボレーションが始まります。

あと、11月19日の福祉会館でのイベントで、ヤノベケンジさんとの対談、藤本由紀夫さんとの対談を予定していますが、そこでも、もう少し仕掛けあいをしようということです。

ヤノベさんは、終末処理場の煙突の上に巨大なラッパを設置するプランを提案して、これを設置するから、音は野村組で鳴らしてくれ、と先手をとって仕掛けてきました。そこで、ヤノベさんとは、ヤノベさんのイメージスケッチ(図形楽譜)に基づく(7つのラッパによる?)終末ファンファーレをワークショップで作曲し、その最終ワークショップを11月19日には公開で、ヤノベさんの意見を取り入れながら曲を変えていくことにしました。そして、11月26日の「終末スペクタクル」で最終的な演奏が行われることになります。

また、藤本さんとは、鍵盤ハーモニカを藤本由紀夫流に扱うとどんなことができるか、というテーマで、11月19日に、その場で取り組んで試行錯誤して藤本流鍵ハモ音楽をつくることになりました。この日は藤本さんのソロパフォーマンスもあります。

仕掛けあいが、どんどん始まっています。どんどん広がって大変ですが、ワクワクです。