野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

シェイクスピアとOFFシェイクスピア

えずこホールの総合音楽劇について、倉品淳子さんと、ちょいとだけ打ち合わせ。この1ヶ月の動き。

1)自主ワークショップで、「戯曲を読む」が始まり、なかなかやる気があるらしい
2)きむらとしろうじんじんが、「総合音楽劇屋台」構想を導入

この二つを受けて、今日のまとめ。「シェイクスピア」と「OFFシェイクスピア」の2つやろう!「シェイクスピア」は、既存の戯曲を自分達流に解釈して自分達の表現として再構築していく作業。これは、他者の中に自己を見つける作業で、その中に自分達の真実を見つけなければ借り物になってしまうので、いかに自分たちのものにしていくかが、面白さです。一方、「OFFシェイクスピア」は、既存の戯曲とは無関係のワークショップで自分達から生まれた表現をもとにする舞台です。こちらは、自分達から生まれたものをベースにし、それが他者にも共有できる表現として構築していくので、自己の中に他者と共有できる場を作っていく作業です。この二つを、二本柱にして進めて行こうと、思います。

シェイクスピア」は、「ロミオとジュリエット」か「ハムレット」か「夏の夜の夢」か、それとも・・・というところは、まだ決めずに、シェイクスピアとだけしておきますが、いずれ、もっと絞られていくかもしれません。


話している時のイメージでは、「シェイクスピア」が大ホールでの長いステージで、「OFFシェイクスピア」が平土間ホールでのミニ公演や、総合音楽劇屋台での屋台公演のような形かな、と漠然と考えました。しかし、これは、逆になるかもしれません。「シェイクスピア」が、10分のポータブルシアターになり、「OFFシェイクスピア」が2時間の大作になる可能性もあります。ワークショップ参加者たちが、どっちにより興味を示すか、どっちもやりたいか、どっちかの比重が増えるかは、今後の参加者とのやりとりで変わっていくと思います。

楽しみです。

ロミオとジュリエット」と言えば、プロコフィエフバレエ音楽を書いています。ということは、この芝居は、踊りと音楽だけで成立した実例がある、ってことです。だから、「ロミオとジュリエット」は、音楽とダンスだけで台詞なしでもやれちゃうわけですから、本公演でも、1幕は、オペラみたいに、歌で展開するとか、2幕は、バレエみたいに踊りと音楽だけで展開するとか、3幕は台詞に音楽や動きがついているとか、どうやっても成立するわけで、そういうことを、うまく構成しながら、コンテンポラリーな作品を作り上げることができることでしょう。

シェイクスピアを題材にしたバレエ、オペラなどをちょっと資料を探して見てみようかな・・・。
ショスターコービッチのバレエ音楽ハムレット」、メンデルスゾーンバレエ音楽「夏の夜の夢」(結婚行進曲の出てくる)などの映像資料を探して見てみようかな。