野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

[ワークショップ]飛び石プロジェクト

エイブルアート・オンステージでやっている「飛び石プロジェクト」。2月に知的障害者のプロの劇団の演出をしているジョン・パルマーを迎えて4日間やりましたが、今回は、身体障害者のプロの劇団の演出家をしているジェニー・シーレイを講師にしての4日間のワークショップ。で、このワークショップのコーディネートを吉野さつきさんと、ぼくでやっています。名前だけのコーディネーターになって、顔を出さずに口ばかり出す人になってはいけないので、ワークショップ初日の進行具合をきちんと目撃しようとやってきたら、ジェニーに参加して、と言われたので参加しました。

ジェニー自身も聞こえない人なので、手話通訳が入ります。ワークショップ参加者にも聞こえない人がいて、しかも、日本語と英語の手話が違うので、日本語の手話通訳も入ります。途中でグループで相談する時に、聞こえる人だけで話し合うと声を使って話し合いますが、聞こえる人と聞こえない人が混ざっていると、身振りと声を混ぜた話し合いになります。

身振りだけで短いシーンを作りました。しかし、見えない人にも感じられるように、もっと音を加えてやってみよう、ということになりました。そして、出来上がったシーンを、見て聞いて鑑賞してもいいし、見ずに聞いて鑑賞してもいい、と言われました。

「あいのて」の視聴者にも、見えない人、聞こえない人もいると思います。今日は帰ったら、番組を画面を見ずに音だけ聴いてみたらどうか?音を聴かずに、画面だけで見たらどうか、そうやって鑑賞してみようと思います。何か「あいのて」が一歩進むためのヒントが見つかるかもしれないと思います。

あとは、手話通訳の人など、皆さんの表情や動きを観察したり真似して、随分、勉強になりました。「あいのてさん」として、慣れない声を封印したコミュニケーションをどうするか試行錯誤していますので。

明日、明後日も、参加できるので、参加しようと思います。日本語の声、英語の声、英語手話、日本語手話、身振り、言葉でない声、などが混在する場で、どうやってコミュニケートして創作していくのか、という試行錯誤の実験の場です。

詳しいレポートは以下に
http://tobiishi.exblog.jp/