野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ヴァイオリンの名前の曲

えずこヴァイオリンアカデミーとのワークショップ。「あいのて」を見た子どもも何人かいて、どうして野村先生は喋らないの?と尋ねられたりした。喋っっている野村を知っている子どもにとっては喋らないことが不思議だし、テレビで喋らない野村と出会った子どもは、喋る野村に出会って、また不思議な感覚を覚えるのだろうなぁ。

親子で円になって、「スイッチ」や「これじゃない」というゲームをした。ヒューは、この二つのゲームでリズムや聴くことにうまくフォーカスしてやっていて、うまい。その後、ヴァイオリンでスイッチをやった。これが面白かった。要するにリーダーの真似をするのだけど、ピッチは気にせずに、奏法やリズムを真似する。そうなると、全員でグリッサンドをやったり、ボウイングだけが同じだったり、弓のどの部分でトレモロするかが同じだけど音は違ったり、ピチカートをみんなでやったり、そういった音が、20人ほどの子どものヴァイオリンで聴けるのは嬉しい。今回の吹奏楽、ギター、ヴァイオリンのワークショップの音は全て録音していて、有馬純寿さんに素材として使ってもらう予定。どんな風になるか、楽しみだ。最初の音源自体が面白いもん。

最後に今日も名前で曲を作ろうということになった。でも、もちろん5歳の子どももいるし、アルファベットで音を置き換えるなんてことはできない。そこで、自分の名前のリズム・イントネーションで各自ヴァイオリンを弾いてもらった。それぞれソロで弾いて、その後、全員で真似をする。そうやってやった後、4人の名前をつなげたら、うまいこと4小節の曲になってしまった。それが、D、G、D、Amというコードになっていた。10周年の音楽劇にこのメロディー使おうっと。

今日も通訳に徹していました。そう言ったらヒューが、「通訳兼、鍵ハモ伴奏者」と言って笑ってた。連日、ワークショップを彼にばかりやらせてしまっていますが、明日からのホエールトーンのワークショップでは、通訳っていうよりぼくがいっぱい働きます。