野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

オルガンレジスト決定

台風が接近する中、横浜みなとみらいホールへ。今夜には関東地方上陸らしいが、オルガンの音決めしている間に台風が行っちゃえばいいんだけど。ホール側は最悪のケースを想定して、ホテルを確保してくれた。
さてさて、新山恵理さんとオルガンの音色決め。前回、一通り全部の音を決めたので、今日は客席中央で聴きながら確認。トランシーバーを持って、新山さんとやりとり。いざ客席で聞いてみるとキャラクターが不明確な部分がいっぱいで、とにかく全てを極端にしていく。「もっと、きつい音」、「もっと倍音を足しましょう」、「ここはペダルはもっと出ていいです」、ぼくがトランシーバーで呼びかける度に新山さんが絶妙の音色を作っていく。こうやって極端にした上で「じゃあ、1曲目を通してやってもいいですか?」と通してもらうと、何箇所か「さすがにやりすぎた」ポイントが見つかり、そこを少しだけもとに戻す。このやりすぎるのは、ぼくの常套手段。やりすぎるのは「やりすぎ」と気づくけど、「やり足りない」のを気づくのは難しい。だから、まず、全部を極端にやって、そこから「やりすぎ」たところをなおす。かなり満足のいく音色ができた。あとは、本番当日にお客さんが入って、どれだけ響きが減るかがポイント。お客さんが響きを吸う分を計算に入れて、少し響きを多めにしたつもりだけど。
レジストが終わり練習が終わったら、台風も通り過ぎていた。ホテルには泊まらず、自宅に戻る。