野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

でみこの一生、初演

ティアラこうとう小ホールで、P−ブロッによる鍵ハモ・ミュージカル「でみこの一生」を初演した。段取りがかなり細かく決まっていて、アドリブの要素がほとんどないから、1曲目演奏し始めたら、かなり緊張していて、うわぁ〜、緊張してるや、と思いながら、演奏してるうちにリラックス。かなり楽しんで演奏できたし、お客さんも概して喜んでくれたみたい。それにしても、慣れないことをするのは、やっぱり初々しい気分になる。これからも、どんどん新しいことにチャレンジしたい。
演奏していて思ったのは、エンターテインメント性、新しい音楽的実験、演奏のクオリティ、心を動かす何か、批評精神、みたいなものを、全部成立できるような音楽会にしたい、ということ。これらを全部成立させようとして、どれも中途半端になるくらいなら、どれかをトコトンやった方がいいのだろうけど、ぼくは全部が成立できるようにしたい。そして、今日の「でみこ」では、そんな世界観が少し見えたというか、よしもっと進もうという気になった。
今のエンターテインメントの部分やポップな部分を生かしながら、明るく真剣に実験し、自分達の意見や考えをもっと明確にしていけば、批評精神の部分が、嫌らしくなく、音楽の中に、もっともっと明確な主張として出てくるだろう。P−ブロッは、もっともっとやっていきたい。
公演を見に来てくれた皆さん、ご来場大変ありがとうございました。

打ち上げ会場の居酒屋で、偶然、マイク・スペンサーに会った。昨年、ぼくがロンドンでレクチャー+ワークショップをした時に聞きに来てくれた音楽家で、昔ロンドンシンフォニー(だったかな?)のヴァイオリニスト、その後、ロイヤルオペラハウスなどで、教育事業のディレクターなどをしていた人。ホエールトーン・オペラをロイヤルオペラハウスでやりたい、と提案してみた。3年後くらいには、やってるかも。