野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

勘のいい人たち(バンコク到着)


徹夜で色んな用事を片付けて、早朝5時に荷造りを始める。スーツケースを準備したのに、どうせバンコクは30度だし、Tシャツと楽器と、ちょこちょこ用意していたら、スーツケースが隙間だらけ。これだったら、リュックサック一つで行けるや、とスーツケースを片付ける。6時に家を出発。関西空港へ。

初めて乗るタイ航空。帰りは直行便だけど、行きは直行便が取れず、マニラ経由。飛行機に乗ると、爆睡してしまい、機内食を食べる以外は、ずっと寝てた。

で、現地時間の夕方4時半(日本時刻で6時半)には、バンコクに着陸。時差が2時間しかないし、いっぱい寝たのでカラダは楽ちん。ほぼ同時刻に空港に着いている野村幸弘さんを探す。幸弘さんの飛行機は別のターミナルに到着していたにも関わらず、林加奈ちゃんが、
「二人とも勘のいい人だから、きっとすぐ会えるよ。」
と言っていた通り、簡単に会えた。タクシーでマンダリンホテルへ。

野村幸弘さんは、岐阜大学助教授で、イタリア美術史が専門。最近は、音楽を映像ドキュメント化すること、特に場所の特性から生起する音楽の映像化に興味を持っていて、2002年から何度も、一緒に映像作品を作ってきた。勘のいい人なので、即興で起こっていることを、即興で撮影できる人だ。これまでに、

豊科近代美術館(2002年2〜3月、長野県豊科町
ASIAS(2002年6月、静岡県の小学校2校)
佐倉私立美術館(2002年6月、千葉県佐倉市
大阪市立大学付属病院(2003年1月)
Ikon Gallery(2004年5月、イギリスBirmingham)
Grundy Art Gallery(2004年6月、イギリスBlackpool)
碧水ホール(2004年8月、滋賀県水口町)

でのプロジェクトを撮影してくれている。今年の5〜6月にイギリスに行って以来、海外に一緒に来てもらうのは、2度目。イタリアには何年も住んだことがある幸弘さんが、初めてのアジアの国でどんな映像をとるのか、楽しみだ。

「誠さんに会うのは、久しぶりなんだけど,、こっちはずっと映像の編集で誠さんを見てるから、久しぶりな感じがしないんだよね。」
という幸弘さんから、編集が終わったばかりのイギリス(バーミンガム)での難民の人たちとの「しょうぎ作曲」、ホッジヒルハイスクールの中学生とのコンサートの様子の映像を見せてもらう。

さて、今回のプロジェクトは、野村誠野村幸弘中川真の3人がメンバーだ。中川真さんは、大阪市大教授の民族音楽学者で、現在はバンコクのチュラロンコン大学にオフィスを置いて共同研究に取りかかっている。今年だけで、10回もバンコクに足を運んでいる人で、10日ほど前からタイ入りしている。
「真さんにどうやって連絡とればいいんでしょうね。勘のいい人だから、ばったり会ったりして、、。」
と言って、夕食を食べようと思ってホテルのロビーに下りたら、ちょうど真さんが現れた。やっぱり勘がいい。

タイ料理は、美味しいし辛い。トムヤムクンを食べながら、汗ダラダラ。
「昨日が国王の誕生日やったし、王宮の方に行ったら、イルミネーションがスゴイんや。」
ということで、トゥクトゥクに乗って町を回る。ピカピカすぎの電飾。
「ぼくは、明後日のシンポジウムが終わるまでは忙しいんで、アナンさんの携帯に連絡して、色々進めといて下さいね。」
と真さんがアナンさんの携帯番号を教えてくれる。
「ちなみに、こっちの人は、あんまり事前に予定を決めすぎない方がいいですよ。1週間も先のことなど決めずに、取りあえず、明日どうしよう、って感じでやってくのがいいです。」
とのこと。予定もきちんと立てずに、即興的にスケジュールを組んでいくってことか。ま、勘のいいメンバーだから、このやり方はあってるな。

ホテルに戻ってアナンさんに電話したが留守電で連絡つかず。さて、こんな感じで、とにかくバンコクでの生活が始まった。明日からも勘よく動こう。