野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

VIVA Dance and Music Project 3日目

VIVA Dance and Music Project 3日目。今日も4時間。午前中は、A棟地階の施設に。5年前に何度も通った施設。4年前の豊中の公演に参加したメンバーとも再会。懐かしい。i-dArtの新しい音楽の先生も参加。せっかくなので、少しピアノを弾いてもらったりもした。

 

メーリンとも再会。定年で今は週2回非常勤の勤務。「あなたたちを招くまでは辞められないから」と言う。7月で非常勤も終わり、完全に退職とのこと。ありがとうメーリン。

 

午後は、A棟5階の施設に行く。こちらも5年前に週2回ペースで通った施設。4年前に豊中の公演にも参加したノリノリちゃんが待ち構えていて、2時間みっちり彼女の指示に従って太鼓を演奏することになった。佐久間さんもノリノリちゃんからダンスを教わった感覚があったようだ。

 

本日もホテルでシャワーを浴びて後、仮眠。その後、i-dArtのSenior Art Development Officerのイェンのお宅にディナーのお招き。イェンの娘のルナちゃんは、5年前は1年生だったのに今では6年生。子どもの成長の速さには、本当にびっくりする。5年前、いっぱいルナと遊んだなぁ。イェンと佐久間さんと色々話し込む。高層ビルで家の広くない香港でロックダウンは、みんな大変だったんだろう、と少しずつイメージしていく。

 

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VIVA Dance and Music Project 2日目

香港のi-dArtでのVIVA Dance and Music Project 2日目。午前中は、A棟4階の施設での2時間のワークショップ。この施設に来るのは5年ぶり、週2回通っていたので、懐かしい。

 

4年前の豊中(大阪)での『野村と砂連尾と佐久間の問題行動ショー』に出演してもらって以来の再会となる爆発ピアノ君が予想通り待ち構えていて、超ハイテンションでのセッションが始まる。コロナとは言え、あれだけ濃密に関わったのに4年間共演できなかったのだから、そうだよなぁ。かつてA棟地階の施設にいたフシギちゃんが、こちらの施設にいて、不思議な奏法を次々に編み出す。こちらも健在だ。5年前にトラムコンサートでも大活躍してくれた天才。A棟地階の施設にいたベロベロくんも、こちらの施設にいる。4年前に豊中で佐久間さんと共演した時以上に表現の幅が広がっている。5年前にQQQ(Quite Quiet Quintet)に参加して、4年前に豊中で砂連尾さんと帽子デュオを踊ったマイケル・ジャクソンも健在。彼ら彼女らが全力で臨んでくるので、こちらも2時間をエネルギー全開で過ごすことになり、濃密なセッションだった。

 

午後は、B棟4階での2時間のワークショップ。こちらは車椅子など身体の障害のある人々の施設で、こちらも全力で過ごす2時間。

 

疲れ果てた佐久間さんとぼくはホテルに戻り、シャワーの後、眠り込む。夕方起きて、だじゃ研(=だじゃれ音楽研究会)とオンラインセッション。久しぶりにリモートでのセッションも楽しい。

 

 

i-dArtとの再会(VIVA Dance and Music project 1日目)

久しぶりの香港の朝。佐久間さんと散歩の後、朝食。フレンドリーなお店のおばちゃんのキャラを懐かしく感じる。

 

10時にJCRC(Jockey Club Rehabilitation Complex)のi-dArtのオフィスを訪ねる。2018年に3カ月ここで暮らして、2019年にも来て、2020年に招聘してもらっていたのが、コロナで延期に延期が続き、3年経ってようやく来られた。イェンやメキシカ、メギー、イヴォンといった懐かしい顔ぶれと再会。新スタッフにペリー、ルビー、フィオナ。さっそく、イェンとメキシカと打ち合わせ。

 

ダンスと音楽をやっている合同チームとのワークショップを行い、金曜日にはJCRCの野外でパフォーマンスをやり、土曜日には街中の中山紀念公園(記念ではなく紀念)で野外パフォーマンスを行うという計画。それ以外に、JCRCの色々な施設に訪問ワークショップも行う計画。ワクワク。

 

イェンとメキシカと4人でランチ。散策ののち、夕方はダンス+音楽合同チームとのワークショップ。16人のメンバー+音楽の先生+メキシカが参加者。佐久間さんの動きに合わせて、ウォーミングアップとして体を動かし始めたところから、徐々に即興ダンスに移行していき、最初はぼくだけが楽器を演奏している状態から始まるが、途中でダンスしている人の一部に、ブームワッカーなど楽器を少し手渡していくと、自然と音楽とダンスが混在するセッションになっていく。佐久間さんと各メンバーとの即興デュオダンスで、一人一人のキャラもよく見ることができた。リズム感の良い人、楽器に興味がある人、面白い奏法を考える人、色々な音楽的なキャラクターも少しずつ把握。そんな中で、身体的な障害があるために生まれたブームワッカーの目から鱗(耳から鱗)の表現に出会う。それは、相撲の拍子木の演奏にも通じる発見だった。

 

夜は、佐久間さんと湾仔まで出かけて夕食。5年前の記憶が徐々に蘇ってきて、ホームな感覚になってきた。

 

5年前の4月12日(レジデンス開始時)の日記と

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その3カ月後(7月12日)のレジデンス終了時の日記

makotonomura.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

香港に着きました

香港に。

 

久しぶりの香港。ホテルの部屋が35階であるのも香港らしい。

 

移動の合間に、サントリーサマーフェスティバルのフライヤーのためのテキストを作文。

 

佐久間新さんとも無事合流。

 

明日から濃密なクリエーション始まる。

 

 

 

 

 

 

相撲聞ガムラン《タリック・タンバン》/荷造り

明日から香港遠征なので、ガムランの新曲は今日書き上げてしまう覚悟で、譜面を書き始める。この楽譜はフィックスされたものではなく、演奏者や関係者が色々なアイディアを追加していくためのスタート地点としての楽譜だ、と書いて書き始めた。

 

今まで数々のスケッチをしているので、それを整理しつつ、確定させるべきところは確定させていくと、どんどん気持ちが高まっていき、昼ごはんを食べるのも忘れて、ずっと書き続ける。それは、数字がやたらに並んでいる数字譜であり、舞台上での演者の動きを記す台本のようであり、こうなって欲しいという願望を記したものでもある。

 

書いていくと、予想もしていなかったゴルフのようなボーリングのようなウイスキーの演奏法が生まれてきたりもする。綱引きと相撲が大きな柱になりながら、そこにウイスキーが入ってくる。ウイスキーの音色は非常に重要な要素。

 

夜になって最後のシーンまで書き終えて、ひとまず完成。表紙もつくる。タイトルは

サントリーホール三輪眞弘マルガサリに捧ぐ相撲聞ガムラン

タリック・タンバン Tarik Tambang

 

となった。これで香港だ。慌ててお土産の買い物に行き、荷造り。海外久しぶり過ぎて、電源の変換器とかどこに片付けているのか戸惑う。

 

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ウイスキーも登場させたい/En-gawaの打ち合わせ

ジャワ・ガムランの新作を作曲している。昨日、かなり渋くて美しい曲を書いていた。ジャワ・ガムランは宮廷音楽で洗練された音楽だ。それはそれで素晴らしいのだが、もっとプリミティブに音楽をやってもいいんじゃないの?という自分が出てきた。ただただ音を出すという行為をやっている。そんなことを考えているうちに、サントリーホールだし、サントリーだから、ウイスキーだよなぁ、と思えてきた。ぼくは飲まないから家にウイスキーのボトルはないけど、サントリーの角瓶は演奏したい。天然水のペットボトルでボトルブーを作ってもいいかも。久しぶりにボトルブーを作ってみた。サントリーウイスキーに着手から今年で100年らしい。リゲティが生まれた年に、日本のウイスキーが始まったのか。

 

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本日は、サントリーサマーフェスティバルでEn-gawaのプロジェクトディレクションのKITAの代表の北澤潤さん、マルガサリの大井卓也さん、中川真さん、西真奈美さんと打ち合わせ。8月25日〜27日の3日間、KITAが作る空間ができて、屋台とか舞台とか縁側があるような会場で、様々な出演者がガムランを奏でる濃密な時間が起こる。フライヤーの作成に向けて、色々話し合う。ワクワクすることばかり。

 

ということで、一日中、ガムランのアイディアをスケッチしていた。

小日山さんのインタビュー出てます

ジャワ・ガムランのための作曲に没頭できるようになってきて、今日も譜面を書き進めて、どんどん渋い味わいの音楽になってきている。そして、書いていくうちに竹野相撲甚句のメロディーや大相撲の呼び上げの旋律がガムランの響きと美しく溶け合っていく。これだけ美しくなってくると、ここに「だじゃれ」を共存させると、もっと深みが出せるなぁ、と徐々に展望が見えてくる。

 

だじゃ研(=だじゃれ音楽研究会)のインタビューシリーズも第10回となり、小日山さんのインタビューが登場。1996年の『現代音楽480分』懐かしいなぁ。六本木のクラブで夜通しだったから、明け方の本番は眠かった。足立智美くん、川島素晴くん、神田佳子さん、河合拓始さん、木ノ脇道元くん、大井浩明くんと演奏した。あの時、小日山さん見にきていたのかぁ。27年前。

 

aaasenju.wixsite.com

 

「千住だじゃれ音楽祭」を一緒にやっている音まち事務局との打ち合わせ(長尾さん、吉田くん、ハサナさん、屋宜さん、遠藤くん、コタローくん)。今年度の「だじゃれ音楽」は自らが主催ではなく、他の企画と連携していくのだけど、複数の企画と連携していて、かなり多様な展開が起こりそうな年度になりそう。ワクワク。

 

畑に苗の植え付けを少しずつやっていたが、本日完了。香港に出発する前に全部できてよかった。夏にいっぱい収穫できるといいな。