20世紀のフランスの作曲家オリヴィエ・メシアン(1908-1992)は、ぼくが10代の頃に最も影響を受けた作曲家。2018年に中川賢一さんと野村誠の生誕50年を祝して、《オリヴィエ・メシアンに注ぐ20のまなざし》を作曲して中川さんと初演した。2020年には、中川さんと共演するための《メシアンゲーム》、アンコール曲としての《時のおわりのためのオールド・ラング・ザイン》も作曲した。それにしても、作曲家の名前が出てくる作品が増えたなぁ。
ガムランと児童合唱のための《踊れ!ベートーヴェン》(1996)
ヴァイオリンとバリガムランのための《ルー・ハリソンへのオマージュ》(2017)
2台ピアノのための《オリヴィエ・メシアンに注ぐ20のまなざし》(2018)
アコーディオンとピアノのための《Casa Mozart, summer 2019》(2019)
アコーディオンとピアノのための《迷惑な反復コーキョー曲 Beethoven 250》 (2020)
2台ピアノの観客参加のための《メシアンゲーム》(2020)
ということで、メシアン。Christopher Dingle+Robert Fallon編『Messiaen Perspectives 1 Sources and Influences』(Ashgate Publishing) 読了。15の論考が載っているが、ローマ賞に応募した習作から、ミュジック・コンクレート作品から、モーツァルトやロマン派ピアノの影響まで、色々な切り口でメシアンに触れるのは面白かった。特にJulian Andersonの『 Messiaen and the Problem of Communication』の視点は面白かった。メシアンの作品はほとんどが標題音楽で、絶対音楽になると今ひとつな作品が多い。ちなみに、宗教音楽を書きまくっていたメシアンが、突然、愛の3部作を書き、その後、鳥の作品になる。『3つの小典礼』という彼の宗教音楽が炎上したから、宗教ではなく「愛」を題材にした作品を書いたのかな?または、後にメシアン夫人となるイヴォンヌ・ロリオと出会い、彼女への愛が三部作になったのか?そんなことも空想した。これが第1巻で第2巻も購入したので、そのうち読もう。