野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

歯医者のうた/高松市美術館35周年に向けて

歯医者に行く。歯医者さんが、何度も「あけてくださーい」、「とじてくださーい」と言うのに応じて、口を開けたり閉じたりする。この人は、年中、「あけてくださーい」と「とじてくださーい」を言い続けて、だんだん、言い方が確定してきたのだろうなぁ、と思う。これって、どういうリズムになってるんだっけ。脳内で楽譜にしてみる。「あけて」が三連符で、「くださ」も三連符で、「ーーい」がおまけのようにつくのだが、安定して毎回同じリズムで言うかを聴いてチェックしているうちに、治療が終わる。

 

高松市美術館35周年記念コンサートまで、1週間。コンサートのプログラムノートなどを準備する。

 

四国新聞に中学生とのリハーサルのことが記事になっていた。

www.shikoku-np.co.jp

 

高松経済新聞でも記事になったようだ。地元のメディアが次々に取り上げてくれるのは、広報的にもありがたい。

news.yahoo.co.jp

 

ヴァイオリンの加藤綾子さんが、本番に向けて三味線の撥を購入。エントランスホールに《ナガレバチ》という巨大な彫刻があり、これが三味線の撥の形をしている。どうやって関われるのか、要検討。とりあえず、ネットで高松市美術館エントランスの画像を見まくる。

 

https://takamatsu.keizai.biz/photoflash/2648/

 

www.city.takamatsu.kagawa.jp

 

新曲《おむすび山の磬の祈り》のリズムが意外に厄介なので、メトロノームを使いながら練習して確認する。見た目は簡単なのに、難しい。と思ったら、加藤綾子さんも同じようなことをSNSで投稿されていた。はい、作曲者自身も苦労してます。

 

高松市美術館の35周年を考えながら、自分の活動の35年を振り返ってみると、最近の5年は活動自体は多いけれども新しいチャレンジが少なく失速しているのではないか、と見える。コロナだったし、色々活動が制約されたとは言え、50歳を過ぎて衰えているんじゃないの?とか、守りに入っていないか?と自問。ぼくは、別に有名になりたくもないし、裕福になりたくもないし、そんなことはどうでもいい。ただ、自分が納得できる人生を送りたい。もっと、研ぎ澄ませるし、もっと突き詰められるんじゃないの?しかも、それを軽々と楽しそうに。人生は短いんだから、停滞してる場合じゃないぞー、と自分にはっぱをかける。