春日市ふれあい文化センターの樋口さん、宮田さん、村上さんと打ち合わせ。春日市の50周年だった2022年に、ワークショップでアイディアを出して《春日の50の物語》という50曲のピアノ曲集を作った。その50曲の弾き方を面白く解説する『野村誠のピアノ教室』という動画も50本作って公開した。
そうして生まれた曲を、別の編成で演奏してみたりしても面白い。
ということで、この50曲を起点にもっと市民の方々と遊べる企画を考えたいという樋口さんの思いも伺い、充実のミーティング。来年度以降も色々面白い企画で関わりたい。
《春日の50の物語》の打ち合わせをしたせいか、3月3日の高松市美術館で初演するサヌカイトの新曲、1曲ではなく小品をたくさん作りたくなった。35周年だからと言って、35曲だといくらなんでも多すぎる。でも、たくさん作りたい。とりあえず、2曲スケッチした。
里村さんからの情報で、熊本大学多言語文化総合教育センターに《Imprisoning a Generation ー収監される世代ー》という映画上映とトークを聴きに行った。イスラエル軍の拘禁システムによって拘束され、投獄された4人のパレスチナ人の若者の物語を追ったドキュメンタリー。監督のゼルダ・エドマンズ氏を交えてのディスカッション、これは行かねばと出向く。すると、司会進行をしているのはJoshua Rickardだった。2012年に、千住だじゃれ音楽祭の『風呂フェッショナルなコンサート』に出演したパレスチナを研究する人類学者で、現在は熊本大学特任准教授。こんなところで、Joshuaと再会するとは思わなかった。
映画には、信じ難い光景ばかりがあった。戦場ではなく日常を映しているから、はっきり現実である。ヨルダン川西岸地区の2016年ごろの映像。公園で遊ぶ少年少女たちに向けて、イスラエル兵が催涙ガスを撒き散らし子どもたちを追い払う。何もしていないのに、イスラエル兵に石を投げたと逮捕/拘束される子どもたち。町のあちこちのチェックポイントで、セキュリティチェックを受け、(持っていないのに)ナイフを所持していると逮捕される、など。子どもたちは、日常的にイスラエル兵から肉体的/精神的に虐待を受け続けている。トラウマにならない方がおかしい。こうした機会を作ってくれたジョシュア、そして監督のゼルダさんに感謝。