野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

塔本シスコ/東アジア鍵盤同盟

京都に移動。

 

ギャルリー宮脇に行く。塔本シスコ展が開催中。春に開催した不知火美術館での展覧会『おかえりなさい、シスコさん』のために作った音楽《おかえりなさい、シスコさん(讃)歌》が会場で流れている。11月25日まで開催中。

 

https://www.galerie-miyawaki.com/

 

NAM HALLへ。鈴木潤さんとの即興ライブ。二人のユニット名を『東アジア鍵盤同盟』として、アルバム『イマノマイ』をリリースした。

 

東アジア鍵盤同盟 | TuneCore Japan

 

本日は、リリース記念ライブとして、初の潤さんとのライブ。全曲、即興演奏。デュオの即興演奏というのは、トークで言うところの対談にあたるもので、相手が違うと話す内容はまったく変わる。また、お互いの興味の噛み合い具合によって、いくらでも深掘りもできる。潤さんとのデュオは、ジャンルが特定できない「どこにもない音楽」になるのだが、それでいて、観念ではなく身体から生まれてくるリズムを基調としている躍動感の高い音楽になる。鍵盤のデュオなのに、アフリカのドラミングのようなノリで鍵盤を弾くのが独特。テクノや打ち込みなどの機械的な音楽の精度がどんどんあがって人間を凌駕して、AIが作曲する時代に、にとって変わろうとする時代に、AIには生み出せない手仕事のつくるグルーヴと音響と戯れ。コンセプトがあって、その線を狙うのではなく、どこも狙わないから生まれたり気づいたりする別の道。そんな音楽だった。