野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

屋根の音楽会

山口でのコンサート。簡単な歴史

 

2013年に淡路島アートセンターの招聘で淡路島に行き、瓦と出会う。

2014年に広島市現代美術館で『野村誠の音楽室』という大規模展示を開催した際、インドネシアからの(当時広島でインターンをしていた)バルトさんから、インドネシアのジャティワンギに瓦を演奏するグループがいると紹介される。

2016年にジャティワンギを訪ね、Tedi Enを会う。

2023年にTediが山口のDo a Frontの招聘で初来日。Tediに切望されて、山口に駆けつける。

 

Tediと会うのは、7年ぶり2度目。一緒にコンサートをするのは初。

 

Tediのインドネシアで築いたやり方での市民参加型ワークショップの素晴らしい発表(30人の大アンサンブル)。こちらは、日本での瓦のことを紹介すると良いと思い、淡路島アートセンターから青木将幸さんが瓦を持って駆けつけて下さったので、のし瓦、隅巴瓦など、瓦の種類を説明し、青木さんと《津井に来た》を演奏。

 

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その後、テディと野村の即興セッション。これは、洞春寺の軒下にあった古瓦から厳選した楽器セット+浜田の工場でテディが選んできた石州瓦のセットを使って。今回、ここで見つけた瓦の音で演奏したくて。テディと一緒にコンサートするのも初めてだったけど、瓦という楽器に向き合ってきた兄弟との演奏は、初めてのような気はしなかった。お客さんにも瓦を配ってのフリーセッションの時間、みなさん楽しそうに演奏していただいた。

 

梅田哲也さんのお米を炊くパフォーマンスが正弦波に近い持続音が揺らぎながら重なり、持続の短い瓦とコントラストを出していた。しかも、瓦を見た後には、煙突のように見えるビジュアル。二つ合わせて屋根だなぁ。音響的にコントラストを出す瓦とお米のための音楽を作りたい、と思った。

 

Do a Frontの藏田さん、そして藏田さんを支えていた皆さん、お疲れさま。