野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

竹野相撲甚句と子どもたちの関わりを模索するプロジェクト

3月11日、東日本大震災から12年。昨日のワークショップに参加していた子たちは、あの頃に生まれたり、あの頃に1〜2歳だったのかぁ。月日の流れを感じる。2011年3月、本来であれば、大阪で3月場所が行われる予定だったが、八百長不祥事などで開催されなかった。大相撲には競技としての側面もあるが、大地を鎮める儀式でもあり、何か起こらないといいが、と不安だった。東日本大震災が起こって以来、自分自身の心も鎮まらず、気がつくと四股を踏んでいた。JACSHA(日本相撲聞芸術作曲家協議会)の今の活動に、あの震災で動いたのは、大地だけでなく、自分の心も大きく動揺した。だから、城崎国際アートセンター(KIAC)にJACSHAで滞在中の3月11日に、四股が1000回踏めたことは貴重だ。でも、それ以外にも、一日中、踏んでいた。3月11日なので、余計踏みたくなる。もちろん、せっかくの城崎温泉に滞在なので、朝と夜と2回温泉に入ってリラックスもしている。

 

今日は、JACSHAでのミーティング。JACSHA+KIACでのミーティング。今年度の振り返りと次年度のコミュニティプログラムについて。アイディアを色々と考える。この土地では、竹野相撲甚句という民謡と踊りが伝承されてきていて、それを子どもたちに形を変えてどうやって伝えていくかが、一つのテーマになっている。吹奏楽にしてみたり、ピアノ曲にしてみたり、リコーダーにしてみたり、きらきら星と合体させたり、色々な形にして、伝承の可能性を探っていくのも面白い。

 

KIACで展示中の波田野州平さんのプロジェクトのオープンアトリエも鑑賞。古い記憶の奥底を探っていくような波田野さんの映画が、竹野のリサーチから少しずつ構想されている。今後の展開が楽しみ。