野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

現代音楽への誘い

四股を1000回踏んだ後のJACSHAのミーティングで、竹野中学校吹奏楽部ための竹野相撲甚句アレンジのプランを鶴見幸代さん、樅山智子さんから告げられる。来週、どこかでアレンジしよう。

 

熊本県立劇場でのコンサート『現代音楽への誘い』を聴きに行く。

現代音楽への誘い | 熊本県立劇場

 

先日、作曲したチェロとコントラバスの新曲《ナンティ・べバース》を演奏する予定の山澤慧さんが出演されるので、聴きに行った。音楽学者の山田高誌さんによるプレトークで、現代音楽への導入講義があった。今は21世紀なので、20世紀音楽は「現代音楽」とは呼ばないのだと思っていたが、現代音楽についてのレクチャーはシェーンベルクから始まり、登場する作曲家はシュトックハウゼン、ケージ、武満、芥川など、全て20世紀の故人だったので、ここで語られる「現代音楽」は同時代の音楽というよりは、20世紀の前半〜中頃の音楽をさしているのだ、と思った。

 

では、ぼくが「現代音楽への誘い」をレクチャーするなら、どうなるだろう?おそらく、以下のようなことは、100年前、50年前にはあまりテーマになっていなかったと思われるので、現代的なテーマ/課題として、同時代の作曲家たちが近年積極的に試みていることだと思う。

 

ジェンダー(20世紀以前の西洋音楽史での作曲家は99.9%男性)

サイトスペシフィック(コンサート空間以外の音楽の場の可能性)

コミュニケーション(参加型、双方向性、インターネット、SNS、ワークショップなど)

社会との関わり(民主主義、世界情勢、環境問題など)

越境(ジャンル、民族、宗教など)

 

開演前に、今年から熊本大学の先生となった作曲家の稲森安太己さんと少しお話することができた。コンサートでは山澤さんの熱演による稲森さんのチェロ独奏曲も聴くことができたのも収穫。熊本の作曲家の光永浩一郎さん、鹿児島の作曲家の久保禎さんとも少しお話することができた。また、NPO法人オハイエくまもとの方々を県立劇場の方にご紹介いただき、熊本で障害のある方との音楽創作に関わることになるかも。

 

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