野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

北澤潤さんのEn-gawa

北澤潤さんとリモートでお喋りする。北澤さんと喋るのは、アジアだじゃれ音Line音楽祭で喋って以来だから、2年ぶり(以下の動画の2:00:05からが2年前の北澤さんとの対談)。

 

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サントリーサマーフェスティバルで、8月25日〜27日にブルーローズホールで、北澤潤さんのコレクティブKitaがディレクションでプロジェクト型コンサートEn-gawaが開催される。ぼくは、En-gawaにも出演するし、8月27日に、大ホールで新作も発表する。今は、もっぱら大ホールの新作の作曲をしているのだが、大ホールのコンサートとEn-gawaがどう結びついていくのかが見えず、この二つをつなぐような新曲を作りたいと思い、そのためには北澤さんと話したくなり、お喋りすることにした。そういう大きな枠組はプロデューサーや主催者が考え、作曲家は自分の与えられた持ち場を考えると合理的に効率優先で考えるタイプではないので、そして、インドネシア的には、こうやって色々なつながりを作りながら、一緒に相談しながらアイディアを膨らませていくのは自然なので。

 

インドネシアジョグジャカルタのアトリエと繋がり、ジャワの空気感が伝わってくる時間。En-gawaの空間を作るための作業も、このスタジオで着々と進んでいて、画面越しに垣間見るだけでワクワクする。お互いに作っているものや考えをシェアすることが、また、それぞれの構想に拍車をかけていくので、こうやって話せてよかった。

 

インドネシア語で綱引きは、tarik tambangというらしく、毎年8月17日のインドネシア独立記念日に綱引き大会も行われるらしい。

 

それにしても、「縁側」という言葉は「縁」と「側」でできていて、「縁」は人の「縁」でもあり周縁の「縁」でもある。「側」も正面でもないし、中心でもない。そういう境界のような領域は、面白いな。

 

プロデューサーの三輪真弘さんと話せて、En-gawaディレクションの北澤さんとも話せて、自分は大ホールでのコンサートの中で、En-gawaとつながるような新作を発表するのだ、と確信できたので、その後は、黙々と譜面を書く。ガムランの楽器をイメージして、色々数字譜を書くのが楽しい。