野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

あやしいサーカス団のクリスマスパーティーで初ヘンデル

あうるすぽっと(池袋)での「あやしいサーカス団のクリスマスパーティー

 

何かを始めた時も新鮮で面白いけど、継続して育っていくのも、面白い。

 

3年前の2019年8月に、ピアニストの中川賢一さんのお誘いでソプラノの鵜木絵里さん、打楽器の野尻小矢佳さんと子ども向けの企画「夏休み子どもアートサーカス」に参加した。クラシックの3人の音楽家とワークショップ&コンサートをしたが、その時は、初顔合わせで勝手の分からない中、お互いを理解したりし、衝動的にホテルで《あやしいサーカス団》を作曲した。この曲が核になって、グループ名が「あやしいサーカス団」になるなんて、想像もしなかった。

 

2020年8月には、その時にお客さんで来ていたハープの福島青衣子さんも加わって、オンラインでワークショップを行って、アニメーションを作ったりした。この時は即興もいっぱいした。

 

2021年8月には、リモートと対面のワークショップをして後、コンサートをやった。ワークショップであやしい国の国歌も作り、世界の様々な音楽をめぐる旅をした。クラシック音楽、現代音楽、民族音楽が混在するグループになってきた。

 

そして、本日、2022年12月、4回目となるコンサート。過去の3年間の経験の蓄積があるから、さらに踏み込んだプログラムに臨めたのだと思う。2019年8月のコンサートは、各自のソロを順番に並べただけのようなオムニバスのステージだったけど、今日のプログラムは、一つの個性ある楽団のショーになっていた。ソプラノ、鍵盤ハーモニカ、ハープ、打楽器、ピアノという編成もユニーク。

 

中川さんがピアニストとしているし、野尻さんが打楽器奏者としているので、ぼくは100%鍵盤ハーモニカ奏者に専念できるのも大きなこと。

 

としま未来財団の宮本さん、御子柴さん、小笠原さんたちとも、毎年、面白いキャッチボールがあって、企画が面白い展開をしていくのもよく、ここでしかできない子ども向け音楽プログラムを作り上げている実感がある。

 

人生で初めてヘンデルを演奏したこと。本番中に、どんどん着替えてサンタクロースの衣装になったこと。鵜木さんの誕生日を祝ったこと。300席完売の超満員の客席に予想以上に0〜2歳児が多かったこと。色々、思い出深いクリスマスイブのコンサートだった。