午前中は、鵜木絵里さんの歌のワークショップを見学。「お母さんといっしょ」とか、幼児向けのテレビ番組はあるけれども、幼児と親がこんな至近距離でオペラ歌手に童謡を次々に歌ってもらったりするのは、なんとも贅沢な体験。その中でも、突出していたシューベルトの子守歌という静かな美しい歌声と、「アイアイ」のノリノリな歌声を、(野村が進行役をする)今日の最後のワークショップでもやってもらおうと考えた。
午後は、野村の鍵盤ハーモニカのワークショップ。子どもたちに、いきなり浅鍵盤や頭で黒鍵を演奏をやってもらったり、鍵盤ハーモニカ体操をやったり。その後、一番低い音、一番高い音をロングトーンで伸ばし、高くも低くもない音を伸ばしてもらう。それを何度も続けた後、それぞれが押していた音を書き出して、中川賢一さんにピアノで、野尻小矢佳さんにヴィブラフォンで演奏してもらい、共演。共演ついでに、二人に、ササスの現代作品「マトルズダンス」を演奏してもらいながら、鍵盤ハーモニカでクラスターとかで狂乱の共演。いきなり現代音楽デビューの子どもたち。さらに、昨日作曲した「あやしいサーカス団」を中川さん、鵜木さん、野尻さんと一緒に演奏。鍵盤ハーモニカで、子どもたちと対旋律を作曲して、共演して、練り歩く。あやしいサーカスパレード。最後には、「あやしいサーカス団」のパレード→(鍵盤ハーモニカのツバ抜きで寝息の音を出しながら)「シューベルトの子守歌」→マトルズダンスと狂乱の共演→「アイアイ」、とやって終了。90分で、とんでもない体験をいっぱいしてくれて、みんな有難う!
そして、最後のワークショップは、野村ナビゲートで、中川さん、鵜木さん、野尻さんもいて、60分の間にリハーサルもして、最後にみんなでコンサート。これは、本当にすごかった。急遽スタッフが作ってくれたサーカス団のアクセサリーをつけて、練り歩く「あやしいサーカス団」→寝息で「シューベルトの子守歌」→指揮に合わせて打楽器を叩く現代音楽体験の「マトルズダンス」→絶叫する「アイアイ」→ワークショップで生まれた動画と共演する「夏休みこどもアートサーカス」。怒涛の60分。最高だった!みんな!駆け抜けるような2日間で、6つのプログラム。全て終了!みなさん、おつかれさまでしたーーー。
3人のクラシック音楽の素晴らしい音楽家と野村でのワークショップ/コンサート。かつては、クラシック音楽の世界は、もっと閉じていて、野村なんかは入れなかったに違いない。でも、時代が変わってきた。クラシック音楽はクラシック音楽だけに留まっていなくって、いろいろ新しいことに開いてきている。野村の音楽とシューベルトと現代音楽がワークショップの中で並列になって存在する。世界はまだ破滅したわけではないので、やっぱり面白い時代に生きていると思う。なんで、ぼくはこんなに脳天気で楽観的なんだろう?いろいろ絶望的な知らせや辛い状況を、知人や友人から聞いて、滅入ることも多そうなんだけど、こんなにポジティブな気持ちで生きていられるのは、本当にワークショップなどで音楽的な交流をしている体験のおかげだと思う。本当に感謝だ。