野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

だじゃ研とのオンラインの実験

だじゃ研(=だじゃれ音楽研究会)との活動日。本日は、zoomを使ったオンラインと、芸大に集まる対面をミックスしたハイブリッドの実験1回目。オンラインで繋ぐ人と対面で集まる人を組み合わせることに、どんな意味があるのだろう?どんな違いがあるのだろう?よくわからないまま、とにかくやってみた1回目だったが、予想以上に発見が多かった。

 

芸大では、複数の教室からzoomにログインしていた。対面で集まったメンバーは1箇所に集合するのではなく、別々の部屋からログインしていたのだ。それぞれの教室に、音まち事務局のスタッフがいて、マイク、カメラなどのセッティングができるところが、対面チームのメリット。

 

さらには、一人のパフォーマーを複数のカメラで映すことも可能で、スマホなど駆使すると同じ演奏行為が違ったアングルから映され、同時のはずなのだが、タイムラグがあって、微妙にずれる。だから、カッパさんの姿が、zoomの格子の中に複数現れ、その様子をさらにカメラで映すと、万華鏡のようになっていく。映像のフィードバックと音楽をうまく工夫して重ね合わせると、zoomをエフェクターとして面白く遊べそう。今後も色々実験したい。他には、楽器のアップを映すのも面白く、今日は映像でかなり遊んだ。

 

新居の片付けなどを進めて後、夜は、イギリスのHugh NankivellやEmma WeltonがやっているファミリーオーケストラAubergines+だじゃ研のオンラインセッション。今日はbroadband cabinet(インターネットの分電盤のようなもの?)の発するノイズをエマが録音してきて、その音を楽器で表現するというセッションをした。ブーンという持続音は、人によって、ソに聞こえたり、ソ#に聞こえたり、いろいろな音に聞こえる。自分がこの音だと思ったピッチで各自が楽器を演奏すると、複雑な和音になる。

 

コロナウイルスのインド変異株は英語でIndian variantと言うし、イギリス変異株はKent variantと言う。このvariantという言葉に興味を示したヒューが、音楽用語でvariationは変奏曲の意味だが、variantという音楽用語はないので、インドというメロディーを作って、その変異株を作ったり、ケントというメロディーを作り、その変異株を作ったりした。

 

次回は、東京オリンピックに絡めて、スポーツの音楽をしようとの提案。こうやって、国際的にオンラインの音楽の実験を続けられるのは、面白いなぁ。

 

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