野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

弓から弓へ/安野+野村デュオ/Simon+野村デュオ

東京芸大コントラバス科の水野翔子さんの卒業試験の演奏会が昨日無事行われて、野村誠作曲《弓から弓へ》の演奏が師匠からも絶賛される熱演であったらしいとの報告を受ける。弓道の弓で演奏するし、パフォーマンスの要素も多いし、何もかもが前例のない演目であり、卒業試験で取り上げることが許可されるまでの道のりも長かったようで、途中で諦めることもなく最後までやり切ったことに、まずは拍手を送りたい。美術家の島袋道浩くんのために《弓から弓へ》を作曲した時、この曲をコンサートで演奏する人が現れることは想像していなかったし、さらには、卒業試験で演奏するとも、想像だにしていなかった。作曲家としては、それだけ思いを持ってやり切ってもらったことを、本当に嬉しく思う。拍手。コロナじゃなければ、聴きに行きたかったなぁ。

 

1月24日に開催の「世界だじゃれ音Line音楽祭Day4」に向けて、野村+ゲスト+音まち事務局とで打ち合わせ。本日の最初のゲストは、作曲家でゾンビ音楽などの活動で知られる安野太郎さんと。安野+野村によるパフォーマンスと、安野+野村でのトークとの2本立てで、オンラインでの音楽の試みについて話したり実演したりすることになりそう。いろいろ、実験してみて時空を超える安野太郎と野村誠がどれくらい交わるのかズレ続けるのか、楽しみ。

 

続いて、本日二人目のゲストが、ドイツからSimon Rummelが登場。毎週日曜日の朝は教会でオルガンを弾いているらしく、オルガンの演奏が終わった直後につながる。こちらは、夕方7時だけれども、ドイツは午前11時。ジモン君は、日曜日は教会でオルガン演奏があるので、朝10:30-11:00はNG。そこで、教会のオルガン演奏よりも前にして、ドイツの朝9時(日本時間の午後5時)に出演してもらうことにしたら、なんと寝坊するのが不安だから、前の晩は教会に泊まることにしたとのこと。サウンドチェックも兼ねて、日本とドイツで楽器を鳴らしながら即興演奏をすると、同じ部屋にいるのではないかと錯覚するくらい反応が物凄くいい。ほとんど双子の兄弟と演奏しているような感覚。Simon+野村デュオ、本当に楽しみ。ジモン君は、「世界だじゃれ音Line音楽祭」のこれまでの動画を大変評価してくれていて、Zoomでの実験的な音楽を面白いと大喜びしてくれていた。