野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

Memu Earth Labレジデンス6日目/トーチカ群と歴舟川河口

東京大学Memu Earth Labでのレジデンス6日目。ポストカードに書かれているMEMU EARTH LABの説明は、以下の通り

 

 仲間と安らぎの中、探求を共にし、学び合う場、メムにて、自分たちを育む環境に耳を傾け、湧き上がる疑問に聞き入ることを通し、思慮深い社会への寄り添い方を実験しています。

http://memuearthlab.jp/

info@memuearthlab.jp

 

ずっとwifiのトラブルで繋げなかったが、今朝、ネットにアクセスできるようになった。里村さんがケショウヤナギについて調べている。歴舟川の流木は、ケショウヤナギではないか。上高地と十勝にだけ生息する木。歴舟川は人間の手によってコントロールがされていないために、蛇行も多く、自由奔放に流れ、河畔に、ケショウヤナギが育つ。

 

流木への興味から、ぼくは、歴舟川に興味が深まり、今朝は、少しだけ「四股1000」に参加して後、歴舟川のリサーチ。川の北側からは、アクセスしようとするが、公道ではなかなか川までたどり着けない。グーグルマップにのっていない道があったりするが、私有地だったりして、うまくアクセスできず、歴舟橋を渡って、南側からアクセスを試みる。やはり道は、川から大きく離れていて、私有地に入り込まないとアクセスできない。それで、旭浜のトーチカ群の辺りから、河口を目指す。

 

トーチカは、戦争中に隠れて敵を銃撃するために作られたもので、コンクリートの塊の中に入れて、小さな穴から敵が銃撃できるようになっている。この中に入ってみて、鍵盤ハーモニカを演奏してみた。

 

河口まで延々と歩いたが、印象的だったのは、河口付近は非常に寒かったこと。川と共に冷たい風が来るのか、とにかく寒い。川があまりにも自由奔放にまがりくねり、場所によって流れるスピードも全然違うことに感動。来てよかったと思う。動物の足跡が色々ある。ぼくは流木で川の表面を叩いて、水を演奏する。川を点として演奏するのと、川を面として演奏するのと、色々試みる。水しぶきが飛ぶと濡れるので、とてもいい練習になる。また、流木で流木を擦って音を出すのも、今日の発見。

 

せっかくなので、隣町の広尾に行く。隣だからすぐかと思うけれども、車で30分近くかかる。北海道のスケールを思い知り続ける。そもそも、大樹町の面積は、東京23区よりも広いし、琵琶湖よりも広い。その面積に人口が約5000人。広尾で海鮮を満喫する食事をしたところに、広尾漁業史という本があり、竹野町史に興味を示した里村さんは、さっそく広尾漁業史に興味を示し、中には北前船の話から、昭和16年の子ども角力の記述まで、色々出てくる。大樹町史も読んでみたいと思った。

 

ここまで来たのだから、襟裳岬まで行ってみようと車を走らせるが、やはり北海道は大きい。そして、4時には日没なので、明るいうちになんとか到着したく3時50分に到着。予想以上の風速と寒さに、わずかの滞在時間だったが、十勝最南端にたどり着く。

 

帰り道に、広尾在住の人がカホンとシェイカーを作っているのが販売されていて、いい音だった。カホンは大きくて買えないので、シェイカーを購入。

 

ガムラン作曲家のアリスより、Gamelan Composers Forumの動画をYouTubeで公開したとのこと。時間を見つけて見てみようと思う。インドネシア語かな。