野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

相生vs高見山

「四股1000」が続いている。始めた頃は、100回ずつやっては、一息いれていた。そのうち、1000回ノンストップでやるようになった。テンポが一定にキープされるようになった。100回ずつ交代でカウントするのが、カウント以外に朗読をしたり、歌を歌ったり、様々なアプローチが出てきた。50日目を過ぎて、テンポが変化するようになった。今はテンポの変化が面白い。色々な本の朗読も、知らなかった本に出会うチャンスにもなっている。占星術の話からホルストシュトックハウゼンになったり、意外な展開もいろいろある。この様子を、6月に入ってから、JACSHAのブログでレポートすることになり、鶴見さんの文章と里村さんの手書きノートで充実アーカイブされている。来月には、どんなフェーズに達するのだろう?

 

jacsha.com

竹澤悦子さんのために作曲をしている。今日は、竹澤さんのレパートリーである邦楽落語「がまの油」を聴いた。杵屋正邦の作曲。竹澤さんの語りも歌も三味線も見事で、彼女のために、初代高砂浦五郎の曲を書くチャンスをいただけるのは、本当に幸せだ。本日は、5曲目の「相生vs高見山」を作曲。高見山のセリフは、全部呼出しが触れ太鼓の時に呼び上げる「〜〜〜〜じゃんぞーい」スタイルにして、相生のセリフは、ラップもどきで、二人のキャラクターを対比してみた。最初は、この二つのスタイルが交互に出てくるように書いてみたのだが、どうにも、ただ交互なだけだと緊迫感が足りない。交互にやっているうちに、高見山の歌声が力強くなり、テンポアップして、どんどん紅潮していく中、徐々に相生の歌声が圧倒されてしまうような感じにしたら、うまく緊張感が出せた。

 

ということで、いよいよ明日は、6曲目の「高砂襲名」を作曲。ここを美しく歌声を聞かせられる名曲にしたい。