野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

自発的な作曲家のコレクティブ

午前中、駆け足でポーランドユダヤ史博物館を見る。里村さんが、野村誠ポーランドツアーのfacebookページを立ち上げてくれて、これからここに写真や動画をアップしていく予定。

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本日は、SPONTANICZNE KOMPOZYTORSKIE SPOTKANIA(=自発的な作曲家会議:SKS)にゲスト作曲家として参加。デンマークコペンハーゲンに留学していた6人の作曲家のコレクティヴ。ワルシャワに戻って、コペンハーゲンであった作曲家同士の交流が乏しいことに危機意識を抱き、若い作曲家が立ち上げる。それぞれが、自分が普段作曲する曲とは違うアプローチで作曲したアイディアを持ち寄る。今日の場合は、フルートとピアノの曲。そして、各自20分だけが練習時間で、12時ー14時まで練習を経て、14時過ぎからコンサート/ディスカッションが開始。普段は作曲しないサックス奏者で音大教授のアリーナが作曲した曲は、簡単な指示による即興。続いて、普段はシリアスな曲を作曲するクバは、人生初のコミカルな曲に挑戦。続いて、グジェゴシュは、曲に繰り返しを多様するので、繰り返しなしで作曲。次のクバは、普段の自分の曲に頻出する3度と6度のハーモニーを避けて作曲。アルベルトは、時間を制限して、たった1日で作曲。これが本当に美しいアンニュイな和音の曲だった。そして、ぼくは、今朝、ベッドの中で考えた「Poland for SKS」を発表。一曲ごとに、みんなで屈託なく感想や意見を言い合う関係がとてもいいと思った。また、普段の自分の作風と違うことをやっているので、みんなも意見を言いやすい。こういう作曲家のコレクティブは面白い。

 

また、会場がカフェで、しかも犬も観客に混ざっていた。フルートとピアノが現代音楽を演奏しているステージ上に、犬がのこのこあがっていくのも、なかなか珍しい光景。

 

夜はフレデリックショパン音楽大学に、リハーサルに。ここのコンサートホールで明後日演奏をする。サックスのアリーナは、ここの教授だが、ドラマーのアルベルトは、ここで演奏するのは初めて。当然、ショパンを偏愛する日本のピアノの留学生もいっぱいいるらしい。ここの学生たちは、野村の音楽に接しておったまげるだろう、とアリーナ。ここのスタインウェイのピアノとホールの響きがとてもよく、弾きやすかった。