砂連尾理さんが、ラジオで野村誠作曲の「たまごをもって家出する」をかけてくれたらしい。向井山朋子さんの演奏の音源。来週のポーランドツアーで、ぼくも演奏する予定の曲。
えずこホールで、ヒューとの「ミステリー音楽」4日間のワークショップの最終日。今回、11日間ヒューと日本で一緒にやった最終日でもある。
この1年間で、ヒューと随分一緒に過ごした。2018年11月に、ヒューの家を訪ねて数日過ごした。今年の1月に、えずこホールで「ミステリー音楽」を4日間やったし、千住でだじゃ研とのセッションもした。3月には、イギリスでヒューのコンサートに参加した。9月には、イギリスで、ヒューとミステリー音楽のワークショップをやった。そして、11月に大阪でヒューと2日間、日本センチュリー交響楽団との高齢者施設でのワークショップ、さらに2日間「ホエールトーン・オペラ」のワークショップ。さらに、京都と東京で「Dementialand」を経て、えずこホールで4日間「ミステリー音楽」をした。つまり、この1年間で約30日ほど、ヒューと一緒に過ごした。
本日の発表会では、以下のプログラムを上演
1 はげちゃったんだよね
I’ve got bald
2 相撲聞序曲(野村誠作曲)
Overture for Sumo Hearing
3 ミステリーソナタ(ビーバー作曲)
Mystery Sonata (Biber)
Symphony no.64 mov.3, no.8 mov.2 (Haydn)
Persimission Polka
6 ナゾンガク
Nazongaku
7 認知症の世界より 何かあれそれ(Hugh Nankivell作曲)
Something Thing Anything
8 ボケブラリー
Bokebulary
9 電気のミステリー
Electricity Mystery
10 100歳
Hyakusai
11 ワセイル
Wassail
12 指揮のミステリー
Conducting Mystery
13 あんこもち
Ankomochi
「ミステリー音楽」は、ミステリーなので謎があっていい。だから、説明不能な要素、不可解な要素は推奨される。プログラムも、シンプルな歌もあれば、難解な現代音楽にカテゴライズされる抽象的な音楽まで、支離滅裂にいろいろな音楽が含まれる。「ミステリー音楽」という枠組みのおかげで、多様性が推奨される。そこが居心地がよかった。どうして、こんな曲順なの?というプログラムでも、論理を超えたミステリーでいい。辻褄を合わせる必要がない。その安心感が音楽に豊かさを加える。
あと、どこかにミステリーのある衣装で、各自の衣装を選んでもらったら、いろんな勝手が許されて、統一感のない統一感になる。そうした勝手が共存できるところも、ミステリーの良さだった。
そして、こうした混沌に近い振れ幅を受け入れられる場。えずこホールの暖かい雰囲気と、参加者の良いエネルギー。とてもとても良い時間だった。まだまだ、謎がいっぱいあるから、音楽に取り組んでいける。これからも、自分の想像力の及ぶ範囲に留まらずに、音楽の謎に、取り組んでいくこと。ミステリーを楽しむことに、音楽の未来や世界の未来を見られると思った。ありがとう。みなさん。