ゲキジョウ実験!!!「銀河鉄道の夜→」の4公演が、11月2日、3日に迫っている。門限ズ(=吉野さつき+遠田誠+倉品淳子+野村誠)として、鳥取に来てできるワークショップも、残り少なくなってきて、あと数日。
これまで何ども開催したワークショップの中で、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に触発されて、音や言葉や動きなどが生まれてきた。そうやって生まれた小さなアイディアの種を育んで、美しいシーンや面白いシーンが出来上がりつつある。完成間近のシーンを、ヤスリで磨くように仕上げている。
今日は、そうした仕上げに向けての練習もした。でも同時に、またゼロから何かを始める作業をした。3週間後に公演を控えているのに、今年の8ヶ月前にやったように、グループごとに短いパフォーマンスを作ってもらった。それが、とんでもなく面白く、理解を超えるくらい変で、いっぱいいっぱい笑った。2月の時点でも、面白い魅力的な人々が集まったと思ったけれども、今では、参加者の距離も近づき、面白さの濃度がさらに濃くなった。それに、当初はこんなに混ざり合っていなかったのに、音楽とかダンスとか演劇とかのジャンルを超越した不思議なパフォーマンスを、次々に披露してくれて、嬉しかった。こんな時間が一緒に過ごせる仲間が鳥取にこんなにできたことを、心底嬉しく幸せに思った。今日ゼロから生まれたことも、また11月のゲキジョウ実験!!!に登場させられるかもしれない。
「門限ズ」というバンド名にしたためか、門限が近づいている。本番は3週間後。門限を守って余裕のスケジュールで暮らすのが門限ズではない。限られた時間の中で、目一杯まで遊び、目一杯粘って、最大限に楽しんで、ギリギリまで可能性を探る。そうやって門限に真摯に向き合うのが、門限ズ。門限が迫っても、そこから遊ぶのが門限ズ。思いっきり遊んでも、門限に間に合わせるのが門限ズ。
美術家の藤浩志さん、そして、藤スタジオの藤容子さん、関根由華さんも到着。音楽チーム、演劇チーム、ダンスチーム、がセッションで対等に作っている中、美術チームと対等なセッションができてるだろうか。ぼくたちの要望で美術部に作ってもらうんだったら、一方向な関係になる。でも、美術部が作ったものに、演劇や音楽だって、セッションできる。頼んでない物を作っちゃっても、使える。藤浩志の豊富な経験を活かせば、なんだってできるんだけれども、藤浩志の豊富な経験を撹乱し無効にするくらいのセッションができたら、それが藤さんにとっての本当の無茶振りなんだろうなぁ。それは、本番の3分前まで受付可能なんだったら、ぼくはちゃんと美術家とセッションしたいと思う。まだ、門限ではない。3週間もある。