野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ファミリーオーケストラ「なす」

イギリスのトーキーに滞在中。エクセター大学にて、ファミリーオーケストラワークショップ。このワークショップは、エクセター大学が行う。大学として地域に還元する活動が必要なのだが、それをボーンマス交響楽団に委託している。だから、大学はお金と場所を提供しているが、大学からは先生も参加しなければ学生も参加しなければ事務員も誰もこない。ある意味、まるなげ。で、ボーンマス交響楽団がその仕事を引き受けているわけだが、ボーンマス交響楽団もそれをヒュー・ナンキヴェルという天才的な音楽家に丸投げしている。エクセター在住のヴァイオリニストのエマ・ウェルトンとヒューの二人が中心になって、ファミリーワークショップを続けていて、オーケストラの名前は、オーバジーン(なす)という名前。

 

そう考えると、「世界のしょうない音楽ワークショップ」は、ワークショップ参加者以外に、大阪音大の先生方も参加し、大阪音大の学生も参加し、日本センチュリー交響楽団の楽団員も参加し、日本センチュリー交響楽団の事務局員も参加し、豊中市の職員も

参加し、しょうないREKのメンバーが参加していて、大学とオーケストラが連携してワークショップが運営できている貴重なケースなのだと、改めて思う。

 

さて、ワークショップ自体は、ヒューの指揮に合わせて、子どもや大人が色々な楽器で即興で演奏する。ヒューから、「鍵盤ハーモニカ・イントロダクション」を披露してほしい、と言われていたので、演奏すると、その後もワークショップの進行を委ねられ、せっかくのチャンスなので、イギリスの人々と「ネッテイ相撲」をやってみる。「ねってい相撲」をイギリスの人とやってみることで、色々新たな発見もあり、発展バージョンもできそう。また、千住だじゃれ音楽祭で生まれた「ああ、こんな感じ」もやってみた。

 

エマが、瓦の音楽に興味を持ち、昨日はイギリスの瓦にチョークで図形楽譜を書き、それを観客に回すパフォーマンスをしたとのこと。日英の瓦の音楽コラボもできるかもしれない。ヒューからのリクエストで「瓦の音楽」協奏曲も考えた。これは、どんな楽器の協奏曲にもできそうなルールで、千住や庄内などでもやってみたい。

 

秋のアガサ・クリスティ・フェスティバルで再会できることを楽しみに。

 

ぼくがイギリスで初めてヒューに会った時に1歳だったヒューの息子のフランクの26歳の誕生日を祝った。

 

夜、ヒューが明後日(「音楽と社会包摂」の会議で)行う基調講演を実演してもらった。この講演は、日本でもやってほしい素晴らしい内容だった。