野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

豆まきもせず、リハーサル三昧

節分であります。朝、5時半に家を出て、東京に向かいました。9時半に北千住の東京藝術大学に到着。

ヴァイオリニストの神谷未穂さん、地歌箏曲家の竹澤悦子さんも既に、来ておられます。神谷さんが、野村作曲の(映像とヴァイオリンのための)「だじゃれは言いません」を弾いておられて、それを聴いただけで、既に素晴らしいのが分かって嬉しくなります。楽しみ過ぎます。サックス/クラリネット梅津和時さんも到着。嬉しい再会であります。

皆さん、ジャンルに留まらないアーティストですが、それぞれのフィールドは違い、クラシック音楽の神谷さん、ジャズの梅津さん、邦楽の竹澤さん、なのですが、このジャンルの違う巨匠が3人並んで演奏しているのが、奇跡のようでありました。

まずは、「ああいいね、クラいいね、那覇とムジーク」を練習。ワークショップ参加メンバー、みんなよくついてきています。自主練習など、しっかりやっていただき感謝であります。これに、梅津さんの担当するポップな沖縄と、クラシックなモーツァルトの対比が、素晴らしい。仙台フィルコンサートマスターである神谷さんが入って下さり、クラシックの本物が引っ張って下さるので、我々の安心して、モーツァルトできます。竹澤さんの三味線も、非常に贅沢な登場の仕方を梅津さんが提案。楽しい創作の現場なのであります。

そして、野村の1995年作曲の「でしでしでし」。密度の濃い練習で、この配置で通りました。梅津さんのサックスソロがメチャクチャかっこいい。神谷さんのヴァイオリンが、切れ味鋭過ぎる。素晴らしいゲストたちです。

「為せば鳴る、為さねば鳴らぬ、どうにでも鳴る」も、楽しくブラッシュアップ。みなさま、明日もよろしくです。

そして、ヴァイオリンと映像のための「だじゃれは言いません」(2013)を、5年ぶりに体験。作曲者として、リハーサルですが、この作品と再会できること、この上なく嬉しいのです。初演の松原勝也さんの演奏も素晴らしかったのですが、神谷さんの演奏が、また曲の違った魅力を引き出して下さっています。

溝入敬三さんの三味線オペラ「猫に小判」も素晴らしき曲。竹澤悦子さんは、どうして、こんな難曲を、弾き語りできるのか、と思います。傑作。声も本当に素晴らしい。

そして、「かげきな影絵オペラ」に登場のテノールの中原雅彦さんとも5年ぶり再会。だじゃれソングの傑作を次々に歌っていただきました。あの歌が、こんなテイストになるなんて、という驚きの連続でした。そして、演出や即興などのチェックも順調に進み、いよいよ明日の本番を待つのみとなりました。

明日は、入場申込者が多数のため、当日来られても、お席がなく、立ち見になったり、最悪の場合はご入場できない場合もございます。