野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

発酵する音楽:すってんころりん幻想曲

鳥取でのコンサート「発酵する音楽」を開催いたしました。

第1部は、旧横田医院で、作曲:やぶくみこ+ホスピテイル楽団「聴く、つかむ、放つ」を演奏。会場の外での演奏から始まり、1階での演奏。豆腐ちくわ笛も活躍。ジャワ・ガムランのクマナの音色に連れられて、2階へ移動。ぼくは、図書室内でトイピアノを演奏。そのまま、一行は3階へ。会場内は、うっすらカラーフィルターの入った照明があり、雰囲気も良い中、瓦もギターも様々なパーカッションもなる音楽が続き、またクマナの音色に誘われて2階へ。2階では、ジャワ・ガムランのスレンドロ音階に調律された箏を竹澤悦子さんが演奏。ガムランのグンデルを、やぶさんが演奏。ぼくは、トイピアノを演奏。窓ガラスから入る外光を背に、白熱する演奏が続き、最後は、ワークショップ参加者が様々な楽器で加わって、幕を閉じる。空間を活かし、様々な音色が交差する時間。

やぶさんヴァイオリン、野村の鍵盤ハーモニカ、そして、ワークショップ参加者の木こりのヨンのギターで、移動の音楽。旧横田医院から、パレットとっとりまで、小パレード。曲は、以前モアカムで、ダンサーの遠田誠が子どもと即興で踊ったときに、ぼくが即興で演奏した曲を、7年ぶりに再演(当時の様子は、以下の日記を参照)。

http://d.hatena.ne.jp/makotonomura/20090719

第2部は、パレットとっとり。元NHKアナウンサーで、鳥取藝住祭の濱井さんの名司会で進行。1曲目は、やぶ(クンダン)+野村(ピアノ)による即興演奏。先ほどはインドネシアのグンデルが日本のお箏と共演したし、今度はインドネシアの太鼓とピアノが共演していて、色々、珍しい組み合わせなのかもしれないですが、そうした違和感などなく、当たり前のように進んでいく。そして、2曲目は、野村誠作曲/木ノ下裕一作詞の「狸囃子」。竹澤悦子さんが三味線の弾き語りで30分の大作。先ほど、箏を演奏していた竹澤さんは、今度は三味線。淡路島のしばえもん狸と息子のしばすけの物語。熱演。3曲目で最後の曲が、11月のワークショップをベースに野村誠が作曲した新曲「すってんころりん幻想曲」(世界初演)。演奏は、野村(ピアノ)、竹澤(箏)、やぶ(クンダン、パーカッション、ヴァイオリン他)+ホスピテイル楽団10数名が、色々な楽器や声で加わる。冒頭は、卓球から始まり、声を出し、携帯電話で写真を連写し、豆腐ちくわ笛も様々な楽器も鳴り、ベルが美しく響き、「ココッココー、ココッコ、ケッコーケッコー、どっちむこー、もったいないて言うた、右見て左見て、すってんころりん、でも起き上がる」という歌詞を熱唱してクライマックスへ。終わるのは寂しいですが、また、やりましょう。

打ち上げの鍋で、みんなとの交流する時間。鍋の季節も、今年度も、間もなく終わります(鳥取は、まだ寒い)。でも、皆さん、またお会いしましょう。

日本海新聞に記事が出ました。こちら
http://www.nnn.co.jp/news/160328/20160328007.html