野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

コケコッコの朝

にわとりの声で目覚める。30羽近いにわとりが庭で鳴いている。

朝ご飯の後、軽トラックの荷台に乗って、村を散策に出かける。村の裏道に入ると、すぐに舗装されていない道になり、牛が7頭ほど、道を歩いていて、そのうち民家がなくなり、ゴムの木、さとうきび畑などを経て、収穫の終わった田んぼになる。そこで、稲の茎で笛をつくって、合奏。ストロー笛で経験している様々な奏法が活かされる。みんな子どものようにはしゃぐ大人たち。

その後、子どもたちと植林をした森、というのに連れて行ってもらう。ここまで、子どもと自転車で来て、植林したのだそうだ。水牛などに踏み荒らされなければ、立派な木になるはず、とのこと。少し、森の中で切り開かれた場所がある。ここは、カンボジアとの国境をめぐる戦闘に備えて、大砲がセットされかけた場所とのこと。子どもの植林した木と、戦争が隣接する。4年前の銃撃戦の頃には、この村からも銃撃戦の様子が見えたし、荷物をまとめて避難した、とのこと。

その後、村長さん宅へ。しかし、村長さんは不在。ヨンさんが思いついたと言って、小学校へ行く。校長先生が、12時半に来て下さいと言うので、一度、引き返し、昼ご飯を食べて後、再度、小学校へ。

ヨードさんたちが、子どもたちに、簡単なレクリエーションゲームをさせる。全校児童200名ほど。大きな木の下に集まるのが心地よい。日本語を何か教えることにして、「水を飲む」を教えて欲しいとのことで、「水を飲む」という日本語を教えて、歌ってみた。意外に言いにくそう。石を手にとってあそんでいる子どもがいたので、石をみんなで鳴らしてみた。その後、野村の鍵ハモ演奏を聴いてもらい、子どもたちは大笑い。そして、稲で笛を吹いてあそぶ。楽しい午後の一時。校長先生から、いつでも来て下さい、と言われる。

夕方、ヨードさんの家に、村の子どもたちが集まり、練習。とりあえず、1234のカウントで始まり、野村の四股で演奏を終わる、というアンサンブルを練習。太鼓がほとんど、少し笛とシンバル。みんな楽器を交代して、全部の楽器をして、さらにダンスもする。日本のことを何かと思うので、337拍子のリズムを教える。意外にてこずる。シンバルで、337拍子の裏に入れる子がいたので、それを採用。シンバルが入るタイミングで、パンチをしたり、アクションをすると面白そうなので、ファイター役をつけてやってみる。日本語⇒タイ語の通訳で進めるのも、なかなか初めてで大変でしたが、無事、初日が終了。凄い数の四股を踏んだ。

夜の反省会で、ヨードさんや、皆さんがとても理解あり、熱心で、よかった。この体験を、今回だけでなく、今後の活動にも活かしたい、という気持ちが嬉しい。蚊が凄い数いる。虫除けもきかない。

「かずえつこと 即興のための50のエテュード」も39曲目。かなりつかれているので、「コケッコッコの朝」として簡単に作曲。