ジークデーク村での最後の日。すこぶる快晴で、洗濯をして、すごい勢いで乾燥してくれて、とても良いです。
朝食後に、チャーンさんに、学校で学ぶことと独学のことなどを聞かれたり、色々、田舎で活動することについて、ヨードさんが言ってきたりして、淡路島の津井の様子を見せたり、テレビ番組「あいのて」の動画を見てもらったりして、色々、意見交換をしました。
明日にバンコクに移動なので、荷造りを開始し、取りあえず、すぐにでも出られるようにしました。
ヨードさんの家で飼っている犬チャオグワイとレルーと2匹います。チャオグワイは、この村で一番危険な犬で、人を噛むから近寄らないように、と言われていました。今では、ぼくのすぐ側に来て、お座りをして、食事の残りをおねだりしに来たり、すっかりなついています。チャオグワイと明日、別れねばならないのは、寂しいです。
ヤーさん、ヨードさんのように、NGOの活動だったり、フリーのアーティストをしていたりすると、仕事のない時は、お金にならず大変とのこと。でも、公務員としての先生たちは、政府の決めたルール通りに子どもを教えなければいけないから、縛りがあるが安定した収入がある。自分たちは収入は不安定だが、自由に子どもたちと接することができる。彼らの色々な思いや熱意を感じました。
「かずえつこと 即興のための50のエテュード」の49曲目「ペンタゴン指づかい」を作曲。いつの間にか、残り1曲になりました。沢井一恵さん、竹澤悦子さんとのコンサートは、1月19日@両国門天ホール。定員50名で、既に30枚ほど前売りチケットが売れているとの話だったので、まだの方は急いだ方がいいのかもしれません。
香港のビザ取得のための書類などが来る。来年のレジデンスの準備のため。ちょっと時間がある間に、途中まで書類作成。
影絵などを作って、バンコクでの本番に準備するヨードさん、チャーンさん。ジークデーク村の子どもたちは、8−11歳、クメール音楽のグループの子どもたちが、11−12歳、人形劇の子どもたちが17歳、という年齢を聞きました。小学生と中学生と高校生が混ざったアンサンブルで、バンコクに乗り込むのです。
サンガットさんが来て、映像を編集したと見せてくれる。4カ所での即興演奏とインタビューが見事に編集されていて、美しい。さすがサンガットさん。このような脚本のない映像がつくれて嬉しいとサンガットさん。
夕方、子どもたちが集まり、出発前の最後のリハーサルをして、子どもたちといよいよ明日、バンコクに行きます。大旅行です。ジークデーク村の夕焼けを見るのも、今日は最後。
ヤーさんから、草木染めの布をプレゼントされる。お世話になりっぱなしで、有り難い。最近は、タイ語ではなく、カンボジア語やラオ語を教えてくれることが増えた。サンガットさんの母国語はラオ語、ヤーさんの母語はカンボジア語。ジークデーク村の子どもたちの母語は、カンボジア語。ヨードさんの母語はラオ語。ヨードさんが子どもたちに話しかける時は、タイ語。ヤーさんが子どもに話しかける時は、タイ語とカンボジア語を混ぜて。ヤーさんとヨードさんが会話するなら、タイ語。ヤーさんとチャーンさんが会話する時は、カンボジア語になるらしい。
夕食後、本当に至らないところが多かったと思うが、貴重な経験をさせていただき感謝していると、ヤーさんは涙ぐみながら語り、サンガットさんとともに、自宅に帰って行った。明日から、また別のところに遠征なのだそうだ。
それにしても、子どもたちに日本語を教えにきたつもりはないのだが、子どもたちは、ぼくの真似をするので、気がつくと、日本語を喋っている。「すごーい」、「ネコちゃん」、「イチニーサンシー」とか、「ワンちゃん」、「ありがとう」などなど。12泊もすると、凄いことだ。