野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ジークデー村の家庭訪問

タイのジークデー村に来て、10日が経ちました。ヨードさんが作ってくれた朝ご飯の卵焼きは、真っ赤な唐辛子が山ほど入っているので、唐辛子を避けながら食べます。タイ人はもちろん、そのまま食べます。どうして、こんなに辛いものが食べられるのか、不思議ですが、彼らは酸っぱいものは苦手で、柑橘類をしぼりすぎると、酸っぱくて食べられなくなります。これも、不思議です。

ゲーさんは、布に葉っぱを縫い付ける展示作品を準備していますし、ヤーさんは、草木染めの作業をしています。皆さん、それぞれの作業に急がしそうです。ぼくは、シンガポールで出版されるコミュニティアートの本の校正のチェックなどをしておりました。

「かずえつこと 即興のための50のエテュード」の48曲目「陣取りゲーム」を作曲。残り2曲になりました。

いよいよ、あと2日でバンコクに行くので、実際にジークデーク村から、どの楽器を持って行くのか、楽器の状態をチェックして、検討しました。なにせ、子どもがスティックで思いっきり叩いたために皮が破れている太鼓がいくつもあり、そこにガムテープが張ってあります。できるだけ状態のいい楽器を選び、子どもの人数や楽器の組み合わせを考える。その上で、ヨードさんに相談し、最終的な楽器の確定をしました。

夕方、子どもたちが来て、なんとか一度、通し稽古をすることができました。

その後、ヨードさんと、子どもたちの家を一軒ずつ訪ねました。舗装されていない道を森の中に入っていくと、真っ暗な中に、家があります。熱帯雨林を切り開いて田畑を作っているので、そして、日差しをさけるためにも、森の近くに家を建てる方が良いのでしょう。人々は、だいたい家の外で生活をしているようで、椅子だったり、風通しよく簡易な屋根だけがあったりする半野外でくつろいでいます。こうした子どもたちの家を一軒ずつ周り、保護者に子どもがバンコク行くことの同意書にサインしてもらう。これをヨードさんが一人でやっている。10人分の家を家庭訪問するのに同行できたのは、ぼくにとっても掛け買いのない体験になりました。それにしても、こんな街頭もない静かな村の子どもたちが、バンコクの高層ビル街に行ったら、本当にびっくりするだろうなぁ。

夜は冷え込みます。ちょっと肌寒い。今、「何度だろう?」とヨードさんが調べたら、24度。うーむ、これで寒いと、日本への帰国が心配になる。ちなみに、「今、京都は何度?」と調べると、10度。大丈夫だろうか?