野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

イチゴも収穫

自宅にて、比較的のんびりと過ごしております。プランターのイチゴが赤くなっていたので、一つ食べました。ミニトマトも着々と実をつけてくれていて、茄子も花を咲かせてくれています。アオムシ退治が続いたキャベツにも、ようやくアオムシを見かけなくなり、一安心。枝豆もピーマンも成長中。この季節、気温も高いし、日照も多いので、野菜たちは元気に成長してくれて、嬉しい。

大相撲の夏場所を観に行くことはできず、非常に残念ですが、場所自体は盛り上がっております。そう言えば、春場所の時にイギリスにいたので、あれから2ヶ月が経ったのか、と思います。イギリスにいた時に友人の本棚にあった面白そうな本を注文して乱読しております。このブログでも前にも紹介しましたが、Peter WiegoldとGhislaine Kenyon編の「Beyond Britten - The Composer and the Community」という本が、非常に面白い本で、読み応えがあります。

ブリテンという作曲家は、1913年生まれで、1914年生まれの伊福部昭と同世代です。戦後ダルムシュタットで始まる若手ヨーロッパ前衛音楽の流れから、ブリテンが完全に時代遅れの古風な音楽とレッテルを貼られるのは、日本において、当時の若手作曲家たちが伊福部を時代遅れと批判していたのに、似た状況だなぁと思います。でも、ブリテンは、ダルムシュタットには相手にされない中で、自分の住むアルデバラでフェスティバルを続け、子どもたちが大掛かりに参加する「ノアの洪水」のようなオペラを作曲し上演する。こうしたアマチュアが参加しプロと共演する大規模な現代音楽作品の創出が、イギリスにおけるアーツカウンシルのテリー・ライリーの「In C」やコーネリアス・カーデューの「The Great Learning」の先駆的な存在になっているというChristopher Foxの論。そのさらに先に、「千住だじゃれ音楽祭」や「世界のしょうない音楽祭」などに繋がっていく。ブリテンと自分の間にあまり接点を感じていませんでしたが、やはりイギリスで学んだりする中で、間接的にいろいろブリテンの影響を受けているのだなぁ、と今更ながら知って、新鮮にブリテンを聴いております。

チェロ協奏曲「ミワモキホアプポグンカマネ」を作曲する方針を、ぼんやりと考えております。自分のかつて書いた協奏曲として、「アコーディオン協奏曲」(2008)の動画を久しぶりに見て、大田智美さんの素晴らしきアコーディオンに感動したり、2011年に書いたヴァイオリン協奏曲「ポーコン」の千住だじゃれ音楽祭第1回定期演奏会での松原勝也さんの演奏の録音を聴いて、うなったり。ああ、千住だじゃれ音楽祭はいよいよ第2回定期演奏会をしようと計画中だ。どんな曲を書こうかな、と夢想している時間は、楽しい。

Beyond Britten: The Composer and the Community (Aldeburgh Studies in Music)

Beyond Britten: The Composer and the Community (Aldeburgh Studies in Music)