野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

十年音泉から10周年

ドイツの国営ラジオ放送のプロデューサーで、京都産業大学のメディアコミュニケーションの先生のMalte Jaspersenさんと会う。2014年に、ココルームについて30分のラジオ番組をつくりドイツの国営放送で放送したそうで、その番組の中で、「ノムラノピアノ」の音源も使ったそうで、番組の音源をいただく。最近は、日本のマスメディアの自主規制に関するラジオ番組をつくったとのこと。色々、楽しく話し込む。

家に帰ると、昨年の「うちのこのどじまん 受賞はなうた作品CD」が届いている。マルテさんからいただいたココルームに関するラジオ番組を聴いて、そこには釜ヶ崎にいる比較的高齢の方々の声も多くあって、色々なエッセンスに触れた後、今度は、子どもの即興口ずさみソングを次々に聴いて、人生の後半と前半がグルグルと繋がっていくミックスジュースになっていく。

今、世界のしょうない音楽祭に向けてやっている60人のアンサンブルも、邦楽と洋楽のミックスジュースで、子どもからお年寄りまでのミックスジュースで、初心者とプロのミックスジュースで、オーケストラと音大とNPOと行政のミックスジュースで、色々な味を混ぜると美味しい音楽にするのは難しいことでもあるのですが、それを得意とするのが野村誠でもあって、こんなに音楽ではできるのだから、料理だってできるはずなのに、どうして料理だと、それができないのだろう、と不思議に思う。

BBC Radio3のラジオ番組Music Mattersを聴いていたら、クラシック音楽メンタルヘルスについて特集していて、うつ症状が他の職業よりも多い。考えたこともなかったけれども、クラシックの演奏家というのは、精神的なプレッシャー、凄く大きいのかもしれない。大きな課題。
http://www.bbc.co.uk/programmes/b08cgvlp

と、色々、聴いて過ごしましたが、作曲もします。ひとまず、10年前にやった演劇交響曲「十年音泉」を素材に、2台ピアノの曲を作曲することにしているので、作曲に着手すべく、10年前の譜面を見ながら構想を練る。窓の外では、雪が降り、気がつくと一面真っ白になっているので、今日はしっかり暖かくして寝ようと、お風呂と湯たんぽを充実させる。