野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

幸福は日々の中に。

「幸福は日々の中に。」という映画が、間もなく公開になります。これは、鹿児島の知的障がい者施設、鹿児島しょうぶ学園を撮ったドキュメンタリー映画で、フレッド・フリスを撮った「Step across the border」という映画の監督のヴェルナー・ペンツェルと写真家の茂木綾子の共同監督作品なのです。この映画のパンフレットの文章を頼まれていて、今日、少し原稿を書ける時間があるので、映画をもう一度見直してみて、ますます書ける気がしなくなって、ただただ、映画に心を動かされていました。

2004-2009年にエイブルアート・オンステージの実行委員をしまして、その時に、本当に色々やったし考えました。「生きるための試行 エイブルアートの実験」という本に、そのほんの一端が載っています。改めて引っ張りだして、読んでみたり。

生きるための試行 エイブル・アートの実験

生きるための試行 エイブル・アートの実験

障害とは何なのか?生きるとは何なのか?美とは何なのか?アートとは何か?などなど、といった問いを書くのでは、何も原稿を頼まれて書くまでもないので、ぼくなりの考えや感じ方を表現したいと思って、うーむ、と腕組みする。腕組みしてもダメだし、背伸びする。背伸びしてもダメだし、踊る。そして、踊るように作文し、楽器を奏でるように、パソコンをカタカタとリズミカルに鳴らしていたら、できあがっていた。送信!

そしたら、どっと疲労感が襲ってきて、バタンと倒れるように寝て、どうやら熱が出て、うなされて、翌朝目を覚ますと、熱が冷めていた。いや、目を冷ますと、熱が覚めていたのかもしれない。

いい映画だ。