エイブルアート・オンステージの第4期に参加の「3つのうたプロジェクト」の試演会を見に行く。5月11日に早稲田大学の講堂で公演があるらしい。「うたの住む家」プロジェクトは、慶応大学で公演するらしいので、早慶戦になっていて面白いな、と勝手に思う。これまでエイブルアート・オンステージは、都バス、駅前のオープンスペース、民家、・・・いろいろな場所で展開でてきましたが、大学は今年初めて。初めてなのに、一気に二つ、しかもそれが、早稲田と慶応とは!
作曲家の鶴見幸代さん、ダンサーの山田珠実さんが関わって、公募で集まった知的障害者の方々と、「仕事、家族、性」をテーマに作品づくりをしています。
鶴見さんは、かつては谷中のご近所さんとして知り合って以来のお付き合いです。鶴見さんのイベントで「たまごをもって家出する」を取り上げてもらったのが最初。その後は、同じコンサートにお互いの曲が並ぶことはあっても、何かを一緒にやるチャンスはありませんでした。一昨年は、えずこホールの「十年音泉」では、「タヌキとキツネ」ほかアレンジの仕事をしていただき、アコーディオンの御喜美江さんとのブログ音楽では、二人で文通のように曲を作り、鍵ハモトリオ「おほほ」も作曲してもらいと、鶴見ワールドに随分触れさせてもらいましたが、彼女、どんどん書けちゃう作曲家だと思うので、どの仕事もどんどん作品があがってきて、楽しかったです。悩んでフリーズする感じじゃなくって、次々に譜面があがってきました。
一方の山田さんは、以前、京都芸術センターであったKyto Creators' Meetingで即興の公演をするパートナーとして共演したことがあります。ドイツに住んだこともある彼女は、ひたすら考えて、悩み、う〜むと腕組みをして、ダンスをなかなか作ろうとせずに考え続けている。思索するダンサーです。
この反射的に作曲していく作曲家と、思索するダンサーの時間差によるコラボレーションが、残りの1ヶ月でどう進んでいくのか、楽しみです。これ、変な組み合わせだ。
「仕事、家族、性」でみんなが発した言葉、作った歌詞を、鶴見さんがどんどん作曲して歌にしていくようで、鶴見さん曰く「ドキュメント歌謡」という新ジャンルを確立した、とのことでした。ドキュメント歌謡があるなら、ドキュメント舞踊というのもあるのだろうか、などと思ったりしました。