野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

KYOTOGRAPHIE

KYOTOGRAPHIE京都国際写真展も明日が最終日。明日は、ZANPANOでライブのため、実質、今日しか行けない。快晴の中、自転車を走らせてギャラリー素形のサラ・ムーンに入ると、植物や動物などの写真が薄暗い照明の中、ぼんやり浮かび上がる。徐々に暗さに目が慣れてくるが、見えない状態で見ようとするのもよかった。誉田屋源兵衛黒蔵でのヨーガン・レール+クリス・ジョーダン展は、ヨーガン・レールの遺作。京都の町中の蔵に入って行く体験が、何か隠れがに入るような異空間体験の序章。石垣島に美しい海岸に日々打ち上げられるプラスティックゴミを拾い集め選別して制作したランプ。環境破壊への物静かな警鐘。無名舍でのマグナム・フォトの紛争地、難民、など様々な報道写真。京都市指定有形文化財の長江家住宅での古賀絵里子展は、作家の妊娠/出産とそこに巡る因縁が絵巻物のように展開されながら、古民家の中を巡る。庭のさざれ石にも、少し苔が生えている。堀川御池ギャラリー1階のティエリー・ブエット展は、生後10分とか、20分の子どもの顔に囲まれる。生まれて間もないのに、老人のようにも、大人のようにも見える様々な表情で、目一杯ないている。2階にあがると、昨年94歳で永眠した報道写真家の福島菊次郎が撮った広島の被曝、三里塚闘争、安保デモなどが、ベニヤパネルに本人の解説とともに、貼られている。これも遺言のようなメッセージたち。同ギャラリーで、そして、虎屋京都ギャラリーでのフランス国立ギメ東洋美術館の明治写真コレクションから茶のある暮らし。1880年代の茶畑や茶会の様子。日本が失ってしまった当たり前の美しい風景が続く。

ここで時間切れ。でも、結構、色々見られた。今日、ドイツで野村誠作曲「Tradition - Extra Addition」(2015)が演奏されているはずですが、今日は京都でも偶然ドイツ人の人と何度か会い、ドイツのことを思い出させていただきました。