野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

釜ヶ崎オ!ペラ2(ワークショップ7日目)

釜ヶ崎芸術大学が続きます。もう、いい加減、休みたいですが、インドネシアからのゲストもいるし、今日も2時間の通勤です。ふうっ。ダンスに合わせて、どのように音楽をするのか、振付けとの関係など、確認。

そして、天文学とのレクチャーとの絡みで、どのようにガムランを演奏するのか、も確認。

ワークショップを終えて、帰りの電車の中で、うーむ、何とか、色んな講座の内容を整えて、調整役をして、1月31日の本番が形になるところまで、奇跡的に進めて来れたと安堵すると同時に、ふと気付く。ああ、みんな色々表現しているけれど、ぼく調整役やってるだけで、野村誠の表現、全然してないやん!それで、いいのか、野村君、と自問自答。もっと、野村のやりたいこと、盛り込まないとダメなんちゃう!そんなの野村か!自己犠牲で釜ヶ崎のプロジェクトを支援する立場とかになるのは、ちゃうやろ!別にココルームも、釜ヶ崎の人々も支援される立場ではなく、対等なんやったら、野村も対等に自分のやりたい表現を出していかんとダメちゃう!と自問自答。当たり前だけれども、公演が滞りなく行える見通しすら立っていなかった時は、とにかく必死に調整してました。今日、見通し立ったので、これだけじゃ、つまんない、と思えた。インドネシアの天才舞踊家ウッティさんとピアノでセッションする時間欲しくないんか!欲しい。それ、やるべきや。ガムランで、即興で、新たな音楽に出会いたくないんか?出会いたい。色々、やりたいやんな。やりたい。正直に、正直に、正直に。どうしたい?どうしたい?どうしたい?と自問自答。よし、残り数日、ちゃんと自分の表現を出していこう。

夜は、京都ガムラン。子どもガムランでは、77曲目の「おにあっちいけ まめまいて」ができる。最初は、クティプンの右側を5回叩いて始まり、途中は、ドンドンドンドンと鬼を追い払う感じで演奏したり、豆のパラパラ感を表して演奏し、最後はチブロンの左側2回叩いたら終わる曲。78曲目をどうするか、というと「そのた」。なんじゃそりゃ?マハロ曰く「始まり、なんとなく始まる。まー、そういう感じ。とにかく適当に始めて、なんとなく、なんとなーく終わる。一人が止めたら、どんどんやめていく。」これで、できるんかい!できたーー。天才や子どもら。79曲目も作ると言う。「かわゆけ」チョロチョロチョロと水の音を表現。クレッシェンド。「ちょろちょろ、ちょこまか、やって。こうこうこれやっておしまい」って、大人には意味不明なんだけれども、子ども達は、納得して、やるとできる。君ら天才か。で、80曲目は「たいこあっちいけ」。太鼓チームとそれ以外に分かれて、「いっけー いけいけ いけいけ たいこ」と叫ぶと、「あっちいけ!」と合の手。最後は、「ふんふんふん」と言って終わる。

大人ガムランは、無心で演奏しました。帰宅後は、書類作成のお手伝いなどをして、深夜まで語り合う濃厚な時間。濃い。