野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

スティーヴさん

ジャワ舞踊家という肩書きだが、ジャワ古典舞踊を踊ることよりも、即興の独自のダンスを追求している佐久間新さん。その佐久間さんが最近色々と関わっているオーストラリアの(アーティスト/演出家/映像作家/コーディネーターあたりの肩書きがあてはまるのだろうか?)スティーヴさんという人と会うために、奈良へ。パーカッションのやぶくみこさん、大阪大学の哲学の本間直樹さんも楽器を携えて登場。不思議な集まり。佐久間流の混沌の秩序。

ティーヴさんは、オーストラリアで障害者とアートに関するオーガニゼーションを30年近くやっているらしいが、詳しいことは分からない。分からなくても良いらしいので、いきなり握手して、薮の中に入っていき、春のような陽気の芋畑の原っぱで、即興ダンスと音楽の撮影。スティーヴさんと同行しているマチアスと佐久間さんが踊る。鍵ハモやヴァイオリンやルバブやウクレレ、石の音、草の上を転がり、鹿の糞がコロコロ。ここは奈良だ。鹿も犬も人間も共存している。ダンスと音楽。幼稚園のお散歩と、鳥の鳴き声と、救急車やお寺の鐘の音が、聞こえる中、演奏する。太陽がポカポカ。

その後、昼食をとりながら、コントロールすることと自発性に委ねることの関係について、興味深い議論があって後、たんぽぽの家に行って、そこでもガムランやらピアノやらダンスやらの交わるセッションをする。カンガルーと砂漠の中で踊ると、また全然違うのだろう。オーストラリアにも行きたくなった。