野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ウクレレバンドとガムランの日

午前中は、高槻の障害者施設コメルナに行き、来ている方々と音楽をする。重度の知的障害の方々で、前回行った時に、打楽器類を試してもらったが、何となく弦楽器が良さそうな印象を持ち、今日はウクレレをたくさん用意していただいた。

せっかく用意していただいたのに、誰もウクレレに興味を示さなかったらどうしよう、とも思っていたが、実際にウクレレを手渡すと、次々に、皆ウクレレを演奏し続けてくれる。複数のウクレレが同時に違ったパルスを奏でる音楽。即興ウクレレ楽団になっていっても良いのかも。

月末のバンコク滞在に向けて、いろいろ連絡中。日程がどんどん決まっていく。東南アジアのテンポ。

夜は、京都ガムランSekar Gendis。子どもガムランは、69曲目となる「どうぞ」を共同作曲。時計回りに、どんどん「どうぞ」と勧めていくところから始まる曲。譲り合いの後、みんなで合奏し、最後はみんなで2回鳴らしてから「どうぞー」と叫ぶ。70曲目となった「いっせーのーで」は、自然発生。「いっせーのーで」と言うと、みんなでジャンと鳴らす。え、そんなのあり?という感じの曲。途中で速くなっていって、最後にもう一度、冒頭のテンポで「いっせーのーで」ジャン!で終わる。その後、今年3月25日に作った33曲目の「阪神タイガース」を久しぶりに演奏して後、71曲目となる「てきとう」が瞬時に生まれる。ルールは単純で、適当に楽器を鳴らしまくる。「終了!」と言うと、別の人が「まだまだまだまだ」と言って、このやりとりが3回続いた後、「いっせーのーで」ジャン、で終わる。本当に適当な曲。72曲目は、マヒナの提案で「おまつり」。「よー」で始まる。だんじりのリズムで演奏。踊りたい人は踊る。「そーりゃー」と掛け声、沖縄風になったり、途中で警備の警察の声までやり始める子どもたち。なるほど、確かにお祭りにはつきもの。最後は、「よー」の声の後、拍手で終わる。そして、今年最後となる73曲目は、「クリスマス(おしまい)」で、鈴が遠くから近づいてくるようなクレッシェンドの後に、演奏。最後は、ゴンをお寺の鐘のようにゴーンと鳴らして、「行く年、来る年。また来年」と言うと、「それは早過ぎまんねん」とつっこんで終了。早過ぎまんねんの「ねん」は、来年の「ねん」とかけている。さすがは、関西の子どもたち。

大人ガムランは、少人数。3人での濃密な即興。3人なのに、一人が複数の楽器を組み合わせるため、大勢に聞こえる。目から鱗で、可能性を感じるセッションでした。