野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

瓦の音楽ウォーキングコース

洲本の宿舎をチェックアウトして、南あわじの津井へ移動。その前に、山城有希(イラストレーター/漫画家)個展を観に行くが、これが大変素晴らしかった。若干18歳で1996年生まれの彼が、1964年の東京オリンピックから2020年の東京オリンピックまでの出来事を漫画で描いているのですが、昭和を生きたことがないのに、昭和のことを体験してきたかのようで、驚きました。そして、この50年間が如何なる時代だったのかの判断は、見る人それぞれの視点に委ねられます。考えさせられる良い作品でした。

津井では、青木さんのお宅に宿泊。青木宅の屋根の上に登ると、絶景で、瓦を眺めながら、山も海も、瓦工場の煙突も、空も見えるのです。ここで、お茶を飲みながら、のんびり語り合う時間が、本当に贅沢な時間。山田脩二さんのだるま窯に薪が入れられて、火の温度が徐々に上昇中。現在500度で、最終的に900度ほどまで上げるとのこと。関西大学の木下先生と学生達が手伝いに来ていました。

その後、来年3月〜5月の淡路花博期間中に、「瓦の音楽」ウォーキングコースと計画中のコースを2時間かけて、歩きました。これが、大変楽しかった。瓦の粘土質が見えるところもあり、瓦工場の横に瓦が積み上げられているのもインスタレーションのようですし、海はあるし、山はあるし、畑もあるし、小川もある。お寺もあって、お寺の屋根には、驚くべき程の数の鬼瓦がのっているのです。

打ち合わせの後、青木家の子どもたち(小2の姉と年中の弟)と遊び、青木夫妻と語り合って後、深夜3時に、徹夜でのだるま窯の作業を眺めて後、就寝。