野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

保育園での瓦の音楽

淡路島の洲本市に来ております。通常、一日に3つも仕事をすることはありませんが、本日は偶々保育園の都合で、予定が変更になり、3つの予定が全て同じ日に行われる運びとなりました。ということで、やぶくみこさんと二人で。

10時〜11時半は、安乎保育所の4歳児、5歳児の23名とのワークショップ。ダルブッカ、鍵ハモ、木琴、鉄琴での演奏を聴いてもらって後、子どもが言った言葉でリズムを考えました。「はげちょろぴん」という言葉が出たので、「ぴん」のところで楽器を叩くことに(はげの方、申し訳ありませんが、子どもが言った言葉でリズムを考えたかったのと、リズムはとても良かったので採用しました)。これを鉄琴、木琴でやってもらい、前半は終了。

休憩中に瓦をセッティングして、瓦の演奏を聞いてもらい、「はげちょろぴん」を瓦で合奏。今回のために作った竹のバチが、瓦によく合います。新発見。その後、別のリズムを作ろうと、別の言葉を考えてもらいました。「バスのりば3」という言葉が出て、これがまた良いのです。大太鼓を鳴らすと全員で音を出すのを止める、というルールも効果的で、うまく止まれました。一人ずつ順番に瓦を鳴らすのも成功。「1234」のカウントで演奏すると、まるでバリの音楽のようなグルーヴ。そこにホイッスルを入れてみると、サンバのよう。こうしたことを組み合わせて、一つの曲になり、これを録音して、子ども達と聴きました。

昼食後、13時半〜15時は、広石保育園の4、5歳児26名とのワークショップ。昼食後で眠そうな時間帯の子ども達と、まったり眠い感じで始まり、色々、身体を動かすことに。裸足に草履の子どもたちに、草履でバタバタと足音を出してもらいました。これが凄い音。「パイナップル」という言葉に合わせた振付を考えて、みんなでやってみたりします。教室の壁に書いてあった「にんじゃやしき」の「き」のところで思いっきり足踏みしてポーズ。これが大変、迫力があり楽しいのです。その後、休憩を入れる代わりに、みんなで「でこぼこ体操」で盛り上がり、テンションがあがった後、瓦の合奏に突入。大太鼓で止まるのは、午前のグループと同じ合図ですが、なぜか「たまご」と言うのが、演奏を始める合図に。午前と同様に「1234」のカウントで演奏してみましたが、こちらはバリ音楽のようにはならず、全然違ったノリになるのが不思議で面白いです。気がつくと、お昼寝が終わった3歳児が、次々に見学にやってきたので、3歳児に向けてのミニコンサートにしました。お客さんが見ていると、俄然やる気になる4、5歳児たち。園長先生も大変熱心な方でした。

洲本市民工房に移動し、16時半〜18時は、保育士さんとのワークショップ。保育士さんが音楽指導をする上での悩みに対する相談や助言をするわけですが、結局、みんなで音で楽しく遊ぶのが一番でした。受講していた保育士さんの中に、かつて(10数年前に)京都女子大で教えていた時の教え子がいて、「野村先生、私、実は、、、」と声をかけられました。再会は嬉しいです。

「瓦の音楽」を保育園で展開する可能性は、十分感じられました。