野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

足立市場を見学の後、足立市場を作曲

朝5時に起きて、足立市場へ。5時半から始まるマグロの競り。これは、音楽のようであり、合唱団のようでもあり、手話のようであり、ジョン・ゾーンの「コブラ」を見ているようであり、伝統芸能のようでもありました。実際には、そこで商品の売買がシビアに行われていたわけです。足立市場という場所で、10月12日に、「千住の1,010人」のコンサートを予定しておりまして、千住で1,010人で演奏会ができる場所の候補地として、足立市場が挙ったわけですが、ただ場所を使わせてもらうだけで、市場と無関係のコンサートをするのは、どうにも気持ちが悪いので、本日、見学させていただいているわけです。

とにかく、競りは素晴らしかった。マグロは、大西洋やら、ジャワの近くや、本当に遠くからやって来ているようでした。そして、3年前に足立市場で足立智美さんが発表した「ぬぉ」という作品の中でも、競りのシーンがあるのだそうです。足立智美の「ぬぉ」という作品、野村誠指揮でもやってみたいなぁ。1,010人のコンサートの中でも、取り上げられないかなぁ。どんな作品か、勉強してみたいものです。


足立智美が「ぬぉ」を発表した年に、ぼくは「風呂フェッショナルなコンサート」を開催しました。あの時でも面白かったのですが、その後、千住の「だじゃれ音楽力」が格段にあがっているので、「風呂フェッショナルなコンサート」も、また開催してみると、相当良くなる気がします。また、やってみたいなぁ。



ホテルに戻り仮眠の後、カウンセラーの草柳和之さんとミーティング。彼が作った「DVカルタ」の全文を盛り込んだ4つの歌曲からなる新作を作曲しまして、本日は実際に草柳さんに歌っていただきながら、最終確認をしました。これで譜面が完成です。正式タイトルが未定ですが、後は初演を待つのみです。

「だじゃれ音楽研究会」(通称、だじゃ研)とのワークショップ。新年度の最初の集まりなので、全員の簡単な自己紹介や意気込みも聞いてスタート。朝の足立市場の映像も見てもらい、その後、足立市場の名物の一つである「鯛ちくわ」を吹いてみました。ところが、ここから意外な展開があり、ちくわをマウスピースにして、チューバを吹くと、信じられないほど不思議な音が出たのです。我々はこれを「チクーバ」と命名。ちくわを巡る様々な可能性を議論しました。

そして、「足立市場」を題材にした新曲を作りました。以下のルールですが、これが音のテクスチャーの変化が素晴らしい名作。

あ:「あー」という声
だ:打楽器
ち:ちくわ
し:「シ」の音
じ:自由
よう:よーぽん(一本じめ)

この曲のアカペラ版もできました。

あ:「あー」
だ:カラダを打
ち:「ちっ」と舌打ち
し:Shhhhhhh
じ:自由(orじゃんけん)
よう:よーぽん

そして、足立市場を題材にしたダジャレソングを作詞しました。さすがに作曲までは手が回らず、本日はここまで。