アコーディオン五重奏曲は、完成が近づいてきております。本日は、日本の音楽教育界の中で、ぼくが最も尊敬する池田邦太郎さんと、久しぶりにお会いしました。この人は、10年ほど前まで小学校の音楽の先生をしていて、子ども達と屋上で昼寝をして音を聴いたり、身の回りの物で音を出して、いわゆる楽器を使わずに音楽をしてしまったり、手づくり楽器の名人だったりする人で、現在は帝京平成大学の先生をされています。ストロー笛の作り方も、池田さんに教わりましたし、彼の哲学にはいつも感銘を受けます。
実践保育シリーズ(2)音のでるもの作って… (実践保育シリーズ (第1期))
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ちょうど3年前の今ごろ、インドネシアのジョグジャカルタに住んでいた時、池田さんはジョグジャまで訪ねてきてくれました。そして、インドネシアの小学校でワークショップをしたり、濃密な時間を過ごしたわけですが、その時に、小学校で紙飛行機を作ったところ、インドネシアの新聞紙の形が日本のサイズと違い、彼の満足の行く紙飛行機が折れなかったのです。傍から見ていると、池田さんの紙飛行機は十分に飛んでいたのですが、彼はそれが不満だったようです。そして、それ以来、池田さんは紙飛行機の研究に研究を重ね、ついに、真下に投げようと、ただ手を離そうと、見事に飛ぶ紙飛行機に辿り着きます。ということで、その紙飛行機をお土産にいただきました。
それから、どんなに激しく吹こうが、どんなに弱く吹こうが良い音が出るスライド笛も、研究に研究を重ねた成果として持って来られました。この人のこだわりは、素晴らしいです。
池田さんは、辛いこと、楽しいこと、色々あるが、それが良いか悪いかはないんだ、と言っていました。ただ、経験があるだけなんだと。辛いことでも、その経験を生かして、未来につなげることもできるし、良い、悪いではない。ただただ、経験なのだ、とおっしゃっていました。だいぶ、悟りの境地に近づかれています。こちらもお話をして、なるほどと思いました。
そして、今という経験を、楽しもうと思って、帰った後、また作曲を続けると、良い感じに行き詰まりまして、ああ、これも経験なんだなぁ、と楽しみ、出口が見えないなぁ、と思いながら寝ました。